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('A`)( ^ω^)(´・ω・`)愛は戦争のようです 第六話




第六話  全ては愛のために


【 ξ゚⊿゚)ξ 】 1-3教室


渡り廊下を通り特別教室棟から、一般教室棟へ。
それから、教室への階段を一気に駆け上がる。


ξ゚⊿゚)ξ「教室の扉と廊下側の窓には鍵、ベランダにはバリケードだったわよね」


その間に教室の様子を脳裏で思い浮かべる。
鬱田たち三人にのっとられ、消化器がぶちまけられた教室は今でも封鎖されているはず。
あんな粉だらけの教室をまだ本部にしているとは思えないけど、生徒会長がいると言うならそうなんだろう。


ξ;゚⊿゚)ξ「問題はどうやって教室に入るかよね」


生徒会長の出した目標突入時間までに、どうにかして教室へと入る方法を見つけなければならない。
だけど、扉もベランダも封鎖されている状況の中どうやって入ればいいの?
平凡な教室に隠し扉なんてあるわけないし、上の階から雨樋などを伝うなんて方法はとりたくない。
……それに、今日はスカートの下が下着だけ。そんなことをしたらどうなるか。


ξ;゚⊿゚)ξ「落ち着け……落ち着くのよ、ツン」


無意識のうちにその名前が出てきた。
小さい頃は困ったことや悲しいことがあるたびにその名前をよんできた。
どうして、忘れていたんだろう大切な名前だったのに。


ξ-⊿-)ξ「……ツン。私はツン」


足を止め、目を閉じて何度もその名前を繰り返す。
昔やっていたアニメのヒロインのと同じ、私のもう一つの名前。
あいつが私にくれた大切な名前。


ξ゚⊿゚)ξ「こんなところで負けてたまるもんですか!」


残りの階段を一気に駆け上がって、一年の教室がある階の廊下を走り抜ける。
私の姿に廊下にいた何人かが一斉にこっちを見るが、気にしてられるもんですか。
私が教室を飛び出した昼休みよりずっと騒がしかったけど、それも脳内からシャットアウト。


ξ#゚⊿゚)ξ「そこをどきなさいっ!!!」


そう叫び、私は廊下を駆ける。向う先は1-3ではなくて、1-2教室。
大量の人と怒声と鳴き声で満たされた1-1前の人混みを掻き分けて、私は走る。


o川#゚ー゚)o「邪魔なのはそっちでしょ!こっちはあの女を粛清しなきゃいけないのよ!」

(#゚;;-゚)「……粛清はダメ……だと思います……」

(*;A;)「弟者は――んっ!!!」


ξ#゚⊿゚)ξ「どけって言ってるでしょ!」


思うより走るスピードは遅くて、イライラする。
どうして私は早く走れないの?どうしてこの教室にはこんなに人が集まってるの?
私はこんなに早く教室へと行きたいのに。


ハハ ロ -ロ)ハ 「OH!彼女は修羅デスね!」

〈::゚-゚〉「独女にして鬼女」


掻き分けても掻き分けてもいる人にイライラしながら進む。
どこまでも続くかと思えた人混みは、1組を通り過ぎるとあっさりと減った。
人が減った勢いのまま私は2組の教室に突入する。


川 ゚ 々゚)「あははは~カオスの楽園へようこそ~」

(  ゚∀゚ )「アヒャヒャヒャ!サバトの準備はバッチリか?!
      偽川なら留守だぜ?どうせ百合扱いされて文句言いに来たんだろ?」


話しかけてくる2組の人たちを無視して、一番近くの机に座っていた男子を椅子からひきはがす。
そのまま、座る主がいなくなった椅子を私はつかむ。


ξ゚⊿゚)ξ「ちょっと借りるわよ」

( ・-・ )(……借りるも何も強制じゃないか)


片手に鞄、もう片手に椅子という姿で2組を飛び出す。
そして、私はようやく自分の教室の前へとたどり着く。


⌒*リ;´・-・リ「委員長さん、どうなってるの?」

ξ゚⊿゚)ξ「あとで説明するわ」


教室の前にはほとんど人の姿は無かったが、それでも何人かは残っていた。
私は話しかけてくる子にそっけなく告げると、鞄をそっと廊下に置く。


ξ#⊿)ξ「どっせーーーいっ!!!」


そして、教室と廊下の間にあるくもりガラスの窓に、椅子で叩きつける。
ピシッという音とともに走った、ガラスの亀裂にさらに勢いよく椅子をたたきつける。

ガラスは椅子越しにジンとした痺れをもたらすと、そのまま飛び散った。
ガシャン。大きな音に見合わないほどあっけなくガラスは壊れる。


⌒*リ;´・-・リ「い、委員長さん?」


椅子を放りだし、割れたガラスに腕をつっこむ。
鍵はあっさりと開き、その向こうの教室の姿を露わにした。
手段さえ選ばなければ、鍵というものこんなにはあっさり開くものなんだと思う。


|; ^o^ ||;^o^ |「なんという こと でしょう」

(;^ω^)「い、委員長?!正気なのかお」


消火器が噴射した粉にまみれた教室の中には数人の男子と、アイツの姿があった。
教室に残った全員が全員驚愕の表情を浮かべている。

教室の両側の扉には鍵とともに、バリケードがはられている。
黒板には①から⑤までの番号と共に、生徒会長が話したのと同じ作戦内容が書かれている。


ξ ⊿ )ξ「私は決めたの。もう後悔しないって。
       だから、馬鹿みたいな事をしても進むって決めたの」


私は鞄を拾い、窓を乗り越えると、教室に降り立つ。
上履きの下で割れた硝子がジャリリと鳴った。


ξ゚⊿゚)ξ「内藤。私はアンタに謝りにきたの」

(;^ω^)「……ツンツンしてないなんて、委員長らしくないお。
      一体、何を考えてるんだお?」

ξ゚⊿゚)ξ「アンタを怒らせたことを謝る。
      大嫌いって言ったのも嘘。言い過ぎたわ」


内藤の顔をじっと見て、一気に告げる。
熱くなりすぎないように、ついカッとしないように心を必死に押さえつける。

内藤の顔を見るのが怖い。
一度言葉を切ったら何も言えなくなりそうで、嫌。
心臓がバクバクと高鳴って私はこんなにも怯えている。


(;^ω^)「そ、そんな事を言って僕たちを降参させようったって無駄だお。
      僕らにはファミレスであぶりトロ丼に誓った熱い誓いが……」


降参させようなんて気はもうない。
気が狂いたいくらいに叫び出したかった。
もどかしさと悲しみがごっちゃになって涙があふれそうになるのを必死でこらえる。

内藤と私の間の距離は、こんなにも近いのに遠い。
だけど、それは私が内藤にいっぱい悪口を言って作ってしまった距離。
どうしても内藤と話したかったから、恥ずかしかったじゃ決して埋まらない距離。


ξ゚⊿゚)ξ「私は――」


     ξ;゚⊿゚)ξ「……あ、アンタ達がうるさいのが悪いんでしょうがっ!」

     ξ#゚⊿゚)ξ「バカに決まってるでしょ!
            教室乗っ取って、何もしていない井洋や喪前に乱暴して。
            おまけに全校放送までするなんて、バカ以外の何ものでもないわ!」

     ξ ⊿ )ξ「大嫌いっ!!!」


馬鹿なのは私。
言いたいのは何時だって、たった一言。
それが言えなくて、口から出るのはいつでもヒドイ言葉ばかりで。


     ( ・∀・)「好きなんだろう?
           女の子なのに全身粉まみれのまま追いかけ回すなんて、相当好きなんだね」

     (*>。<)「津出さんなら大丈夫ですっ!津出さん優しいからきっと伝わるはずです」


今日はじめて会った人たちの声がよみがえる。
私はアイツが好き。私はもう止まらないって決めた。
「ツン」ならば、躊躇ったりしない。私だって、躊躇わない。



ξ#゚⊿゚)ξ「――アンタが好きなのよっ!!!」


(;゚ω゚)

ξ;゚⊿゚)ξハッ


ようやく言えた言葉は、なんだかケンカを売るような声だった。
違う。言えたのは確かだけど、私が言いたかったのはこんなケンカ腰なんかじゃなくて。
ああ、突然すぎて内藤だって呆然としちゃってるじゃないの!
私の馬鹿っ!馬鹿っ!!!!


ξ///)ξ「――――っつ」


落ち着いて、もう一度言うのよツン。
内藤、アンタのことが好き。
ほら一度言えたんだから簡単じゃない。落ち着いて落ち着くのよ、ツン。


ξ///)ξ「う……あー、あの、あのね?」


そうだ、チョコレート!
チョコレートを渡さないと。か、鞄!鞄を開けて……


(;゚ω゚)「いいんちょうがいいんちょうがぼく?ぼくお?お?お?」

ξ//⊿)ξ「――こ、これっ!」


ああああああああああ!!!!!!!
馬鹿っ!さっき考えたばかりじゃない。
「内藤、アンタのことが好き」なんで今更、恥ずかしがる必要があるのよ。

こうやってみるとラッピングもぐしゃぐしゃに見えるし、もう嫌。
ちゃんと直して確認もしたのにリボンも曲がってるし。


( ゚ω゚)「こここここれは何かの夢なんだお!でなきゃ委員長が僕、僕なんかに
     でで、でもここにチョコがチョコ?チョコっ???」


ああ、内藤が動揺したような声を上げている。
そうだよね、私ひどいことコレまで言っちゃってたからこうなるよね。
嫌われてると思われてたらどうしよう。


|; ^o^ |「てんぺんちいの まえぶれ です」

|;^o^ |「お おちついて コーラでも のみましょう」

|; ^o^ |「そそそ それは しょうゆ です」

(;=゚ω゚)ノ「それはコーラでもしょうゆでもなくて、チョコなんだよぅ!
      じゃなくて、委員長があのデブにとかどうなってるんだよぅ!!」


(;゚ω゚)「きっとショボンか誰かの隠謀なんだお。
     ショボンが僕が委員長のことを好きとか言うから誰かが本気になって」

ξ#゚⊿゚)ξ「隠謀なんかじゃないっ!私はずっとずっとアンタのことが――」

(;゚ω゚)「でも、僕は僕には思い出の」


ああ、どうして私はこうなんだろう。
一度目の告白は涙まみれだし、二度目の告白は消化器の粉まみれ。
大嫌いっていったあと、ガラスをぶち破っての登場だし、告白なのに隠謀とか言われる始末。

だけど、だけど、私は、


ξ;⊿;)ξ「好きなの、ブーン」


はじめてあった夕焼けのあの日から。
泣いていた私にアナタが手をさしのべてくれたその時から。


ξ;⊿;)ξ「忘れられてるのは知ってる。
       だけど、ずっとずっとあなたが好きだったの」


小さい頃に一度だけ遊んで、結婚を約束した名前もしらない男の子。
高校に入ってアナタに会ってすぐにわかったの。あなたが私の「ブーン」なんだって。
気持ち悪い女だということはわかってる。だけど、私はあなたが好きだった。



【 (,,゚Д゚) 】 放送室


(,,;゚Д゚)「鍵がかかってやがる!」


ドアノブをひねってみるが金属音と共に扉は途中で引っかかって開かない。
ここに鍵がかかっている以上、モララーはこの中にいるはずだ。別の場所に移動はしていないはず。
いるに決まってる。そう信じろ!


(,,-Д-)「職員室は封鎖だったな」


職員室にあるであろう放送室の鍵は使えない。
問題は、内側からかかっている鍵をどうやって外すかだ。
会長達とは違って作戦決行にはまだ時間はあるが、どうするべきか。


(,,゚Д゚)「悩んでも仕方がねぇか」


しまった扉を開けるにはどうすればいいのか。
俺の思いつく範囲ではピッキング?とかいう針金かなんかをかちゃかちゃやる方法。
だが、針金なんか今はもってないし、持っていたところで開くかどうかもわからん。
それよりも、ずっと確実でシンプルな方法。


(,,-Д-)「すまねぇ、相棒。
     でもこれは、しぃのためでもあるんだ」


鍵のかかった扉をあけるシンプルな方法。
それは、ぶちこわすことだ。


(,,゚Д゚)「思えばお前にゃずっと世話になりっぱなしだったよな」


俺は教室からずっと持ち出してきた相棒を袋から取り出す。
長年にわたって使い込まれてきた、傷だらけの銀の色の金属バット。
ずっと使ってきた俺の相棒だが、それにももう別れの時がきちまったらしい。


(,,#゚Д゚)「行くぜ、相棒っ!最後の仕事だっ!!!」


そして、作戦決行の時間。
俺は相棒を放送室の扉とドアノブにたたきつけた。
叩く、叩く、叩く、叩く。
相棒がへこんでいく。それでも俺は、全力を込めてドアにたたきつける。


(,,#゚Д゚)「うぉぉぉぉおおおおおお!!!!」


扉の上の方につけられたガラスが砕け散る。
だが、扉はまだ開かない。
ドアノブとびら壁とにかくめちゃめちゃに叩きつける。

(,,# Д )「開きやがれぇぇぇえぇぇぇっ!!!」


ガッ


という、何とも言えない音。
――そして、放送室の扉はついに開いた。
ごちゃごちゃと置かれた機材の向こう側には、モララーとビビリまくっているモナー。


(# Д )「うぉぉぉぉおおおお!!覚悟しろっ、モララーぁっ!!!」

(;´∀`)「ギギギギギコっ!!!」

( ・∀・)「やぁ、ギコ」


扉をぶちやぶったと言うのに、モララーは余裕たっぷりのいつもの表情だった。
モララーの笑顔という名の無表情に熱くなっていた俺の頭が一瞬冷える。
そうだ、俺はしぃのためにモララーをつれもどさなけりゃならねーんだ。


(,,゚Д゚)「よう、モララー。
    モナー、お前こんなところにいたのかよ」

(;´∀`)「こんな所にいたも何もモナは巻き込まれただけモナ!」


あわあわと汗を流しながらモナーが言う。
行方不明だったモナーが何故、モララーといるのか意味不明だが別にいい。
今の俺の目的は、モララーお前をぶん殴ってでも連れ戻すことだけだ。


( ・∀・)「相変わらず力押しなんだね。ギコのそういうところ嫌いだな」

(,,゚Д゚)「俺はお前の減らず口が、たまに嫌になるね。
     いつも利口ぶってる優等生が何のつもりだ」


モララーはパイプ椅子から立上がりながら、そう告げる。
狭い室内。金属バットをもった俺。ケンカの戦力としてはまったく期待できないモナー。
完全に不利な状況だというのに、その表情はあくまでも冷静。
奴は俺が武器を振り上げて襲ってこないことを知っている。そして、俺もそれはできない。

俺たちが最後に大喧嘩したのは中学の時だっけ?
あの時の喧嘩の原因は何だったのか、もう思い出せない。


( ・∀・)「……ギコにはわからないよ。君だけは絶対にわかりっこない」

(,,#゚Д゚)「しぃを悲しませでもすることなのか?モナーを拉致ってまですることかよ!」

(;´∀`)「あわわわわ。放送ストップストップー!!!」


俺の言葉にモララーの表情が動く。
その顔は、俺たち幼なじみぐらいにしか見せない怒りの表情だ。


(・∀・#)「勝手なことを言わないでほしいね。
      僕がいつ、しぃちゃんを悲しせたって言うんだ」

(,,#゚Д゚)「自分のしたこともわからねぇのかよ。胸に手当てて考えてみやがれ!
     しぃを悲しませてるのはお前なんだよ、モララーっ!」


放送を聞いた時のしぃの愕然とした表情を思い出す。
本当に困った顔でスピーカーを見上げるしぃ。
モララーと何かがあったに違いないのに、それを話そうとしない、しぃ。


     (;゚ー゚)「どうして?だって、モララーくんは」


なぁ、しぃ。俺はお前には笑っていてほしいんだ。
俺はしぃのことが好きで、お前の笑顔があれば他には何もいらない。
だから、しぃの笑顔を曇らせたモララーは絶対に許せない。


(#・∀・)「いいや違うね、しぃちゃんを困らせるのはいつもギコ、君だ!
       いつもいつも君はそうだ!君ばっかりが!」

(,,# Д )「黙れっ、俺はっ!!!」


手にしていた相棒を床に放り投げると、俺はモララーに殴りかかっていた。
おりこうな優等生のモララー。
何かあるたびに注意するのはこいつだった。こいつの言うことはむかつくがいつも正しい。
だけど、だけど、今回ばかりは譲れない。

モララーは俺の拳を顔面にうけて、よろめいている。


(;´∀`)「やめるモナ!!!」


放送室の機械にはりついていたモナーが声を上げる。
だが、俺は止めるつもりなんてない。
モララーの顔に渾身の力で殴りかかる。


(#・∀・)「僕がいつしぃちゃんを悲しませた!
       いつだって僕は……僕はっ!!!」


俺の拳は体勢を立て直したモララーによって回避される。
全力を乗せた拳が外れ隙だらけの俺の体に、モララーの蹴りが入る。
痛みにうめく俺に向けて、もう一発モララーの蹴りが決まる。


(#・∀・)「10年間。それがどれだけ長いかわかるかっ!!」

( ´∀`)「……モララー?」


痛みのまり、丸めそうになる体をぐっとこらえる。
中途半端な距離はモララーの蹴りの格好の標的になるだけ。
一歩、二歩と踏み込んで、拳を振るうのにちょうどいい間合いを探る。


(,,#゚Д゚)「あぁ、わかるね!俺だって俺だってなぁっ!!」


殴る。俺に出来るのはこれしかないから。
気づいたらずっと一緒にいた、しぃ。これからもずっと一緒にいてほしい、しぃ。


(*゚ー゚)「                              」

(・∀・* )「           」

(*^ー^)「           」

(・∀・ )「                     」

(////)「    」


(,,゚Д゚)「……」


10年。思いの強さなら誰にも負けちゃいねぇ。
だけど、しぃが好きなのは。俺じゃなくてモララーだ。
昼休みに見ちまった光景。うれしそうな二人、顔を赤く染めたしぃ。
かわいかった。その顔が俺に向けられていないのが、悔しくて悲しくて。


(・∀・#)「僕は絶対にバレンタインをつぶしてやるんだからなっ!」


その言葉が許せない。
しぃはお前のことが好きなのに、思われているお前がこの有様なのが許せない。


(,,# Д )「しぃはお前のことが、好きなんだよ!」


俺はしぃのためならなんだって出来るのに……。
だけど、しぃがモララーのことが好きなら応援するしかないじゃないか。
俺は幼なじみとしてでもしぃのそばにいたいんだから。


( ・∀・)「……」

(;´∀`)「……はぁ?」

(#,,゚Д゚)「俺はしぃが泣かないためなら、何だってやる!
     しぃが笑ってくれるなら、何だってできる!俺は……っ!」


俺の言葉に、モララーとモナーが動きを止める。
モララーの表情はさっきまでとは違う、完全に無表情。


(  ∀ )「何もわかってないのはお前だよ」

( ´∀`)「……モララー」


モララーはぽつりと呟くと、俺の顔を殴り飛ばした。
動きを止めた、モララーに油断していた俺はなすすべもなく殴られる。


(゚Д゚;,,)「――くっ」

(♯ ∀ )「お前は全然わかってない!わかってないよ、ギコ!!」


蹴る。
蹴る、蹴る、蹴る。
モララーは感情のままに俺を蹴り殴る。


(♯ ∀ )「何がしぃちゃんのためだよ!何がぁっ!!!」

( Д #,,)「俺はっ、俺はっ……しぃがっ!!!」


(#´∀`)「やめるモナぁぁぁあぁああああ!!!」


モナーの怒声が聞こえるが、俺もモララーも止まらない。
俺に向って向けられるモララーの足をつかみ、そのまま転倒させる。
倒れたモララーに俺は拳を振り上げて……


(#゚ー゚)「やめてっ!!!」

(;´∀`)「――しぃちゃんっ!危ないモナっ!!!」


――しぃの声が、聞こえた。



【 ('A`) 】 校庭


(;´・ω・`)「ドクオ、しっかり!」

(;'A`)「うるへー、こっちとら体力ないんじゃー。
    こういうのは内藤の担当じゃねーかよー」


ぜいぜいと息をあげながら、俺とショボンは校庭をダッシュしていた。
――高跳びとかで使う陸上用の緑色のマットを持って。
これ全力で風の抵抗とか受けるんすけど、軽いのはいいけどでかくてめっちゃ邪魔なんですけど!!!


(;´・ω・`)「内藤を教室に行かせたのはドクオじゃないか」

(;'A`)「体力仕事になるなんて思わなかったんだ!
    マット抱えて走るなら、内藤呼んだわ!」

(;´・ω・`)「校門封鎖するには物理的にふさぐのが一番早いんだよ
       柵はもうしめてあると思うから、このマットでその上をふさぐ」


ショボンくんは頼りになりますねー。畜生っ!!
どうせ俺はノープランで突っ走ってますよ!作戦だってショボン頼りだよ!


(;'A`)「死ぬぅぅぅぅぅ!!!!」

(;´・ω・`)「叫ぶと余計に息が切れるよ」

(;'A`)「これが叫ばずにやってられっか!!!」


俺は昔、持久走でぶっちぎりの最下位になってクラスのやつらから拍手を貰った男だぞ。
普通に走っているだけなのに、感動をありがとうと拍手される。この屈辱がわからんのか!
校門はまだか、誰か気づいて協力してくれるやつはまだか?


(;'A`)「おい、誰か俺たちを……」


ζ(゚ー゚*ζ「え?なーに?」

ミセ;゚ー゚)リ「げぇっ、鬱田にしょぼくれ顔!!!」

(゚、゚トソン「死んでください」


俺のあげた声に聞こえるおにゃのこたちの声。
俺の記憶と感覚と直感が正しければこの声は、この声はっ!


(*'A`)「デデデデデレたんと愉快な友人AとB!」

(;´・ω・`)「全力で走ってドクオ!!!」

(;'A`)「ちょwwwペースあげんなwww死ぬwwwww」

(#´・ω・`)「いいから走って!!!」


ああ、俺のアイドルにして女王様の姿が遠くに遠くに行ってしまわれる。
というか死ぬ……ショボンちょっとやめ……マジで息切れて死ぬ。
汗が気持ち悪いくらいに出てぬぐいたいのにマットが邪魔でそれもできねーし。
まだか、校門はまだなのか?!俺びっくりするくらい真剣に走ってるんだけど!!!


(;‘_L’)「ドクオさん!ショボン参謀!」

<#`∀´>「総督がお帰りになったニダ!」

\(^o^)/「オワテないよー まだまだ いける」

【+  】* ゞ゚)ノシ「ドクオ! ドクオ! ドクオ!」


野郎共のびっくりするほど華のない声。知らない奴の声も混じってるけど。
よし、俺は帰ってきたぞやっとゴールだぁぁっっ!!!
フラフラになりながらも俺たちは残りの道のりを駆け抜けて、マットを地面に下ろす。
俺がんばったよね、ゴールしてもいいよね。むしろ息させてくださいお願いします。


(‘_L’)「指示をお願いしますショボン参謀!」


(´・ω・`)「総員、このマットで門をふさいで。
      三人ほどこっちに向ってきているから大至急で!」

(’e’)「了解!」

,(・)(・),「内藤隊長の命によって増員に来たゲロ!協力するゲリラッパ!」


作戦はしばらくショボンお前に任せた。
それにしても、内藤は仕事早いな。俺はもう死にそうだぜひゃっはー。
テンション高いようだが、俺は地に倒れ伏して声も出ない状態。


( ´ー`)「倉庫から持ち出した武器はどうするんだーよ?」

(´・ω・`)「流石だね。内藤の指令?」

( ´ー`)「そうなんだーよ。別行動隊が今、他の武器探してるんだーよ」


すげぇよ、内藤GJ。
別動舞台もいい仕事してるじぇねーか。


(;´・ω・`)「ほら、ドクオもいつまで休憩してるの?
       校門封鎖して僕たちの力を見せつけるなら、派手に動かないと」

(;'A`)「わかってる。その気になりゃフェンスや裏門から脱出し放題だもんな。
    とにかく、気合と根性とハッタリで乗り切るっ!!!」


('(゚∀゚∩「メガフォンだよ 拡声器だよ!」

('A`)「おう任せろ!」


俺は同士(多分隣のクラス)から学校名がマジックで書かれたメガフォンを受け取る。
それから、スイッチを探して口元に当てる。
さて、とりあえず一発かましますかね。


(#'A`)「全校の生徒につぐっ!!!!」


ミセ#゚ー゚)リζ(゚ー゚#ζ「またお前かっ!!!!」

(゚、゚#トソン「モララーくんに手を出したのに飽きたらずまだやりますか」


(*'A`)「デレたんっ!俺を追い勝て来てくれたんだね!」


俺が大声を出し始めた瞬間。
華麗かつキュートかつサディスティックな声が聞こえた。
どれくらいサディスティックかというと、サド侯爵(Sで伝説になった漢らしい)が涙で死ねるくらい。
さすがはデレたん。学園のアイドルその声だけで昇天できるぅ!


ミセ#゚ー゚)リζ(゚ー゚#ζ(゚、゚#トソン「死ねっ!!!」

(*'A`)「校内の全生徒よ!バレンタインを亡きものとしようとする我らの前にっ、
    学園のアイドルデレたんとその友人達が押しかけてきてくれました!!!
    全生徒たちよ!デレたんのためにも今こそ立上がるのだぁぁぁぁぁ!!!!!」

ζ(゚皿゚#ζ「勝手に名前使うんじゃねぇよ!てめぇのタマ潰すぞ、ゴルァ!」


\(^o^)/「デレたんの ファン人生 オワタ!」

(;’e’)「これはひくわ……」


そのキツイ罵りの声がたまらないよ。デレたんたら積極的でかわいいなぁフヒッ。
おにゃのこの怒声に目覚めた今の俺なら、もう委員長だって怖くないね!
……怒声と言えば、委員長は大丈夫だろうか。もう泣いてないといいんだが。
津出は気が強いから大丈夫だろうとは……いや、悪いとは思ってないよちっとも。


ζ(゚ワ゚;ζ「って、そこのミセリちゃんが言ってました☆
       怒った女の子って怖いよねぇ」

ミセ;゚д゚)リ「言ってない!そんなこと言ってないよ!!!
      ていうか、何で人のせいにするのさこの根性ド腐れ女!」

ζ(^ワ^;ζ「ミセリちゃんこわぁーい。デレ困っちゃうよぉ♪」

ミセ#゚皿゚)リ「殺す!絶対に一度は殺してやるー!!!」


(;´・ω・`)「ぼんやりしてる場合じゃないだろ、ドクオ。
      今がチャンスだ!」

(;'A`)「そ、そうだな」


デレたんとその友人Aことミセリたん(?)に気を取られている俺をショボンが現実に引き戻す。
そうだった、俺はデレたんや委員長よりも同士たちを取ると決めたばかりじゃないか。


(゚、゚トソン「残念ですが、それは止めさせていただきます。
     私には義理チョコを配るという使命がありますので」

(´・ω・`)「6組の都村トソンさんだね。その主義曲げてはもらえないのかな?」

(゚、゚トソン「そう言う貴方は図書室でよく見る人ですね。
     いいんですか、図書委員さん?」


ショボンが都村トソン(今判明)に話しかけながらも、今のうちだと目で合図をする。
俺はその視線をうけ、再びメガホンを口元へと持ってくる。


(#'A`)「我らは今、この時をもってVIP高の完全占拠を宣言する!
    職員室、イケメン四天王は我らの前に敗れ去った!
    浦良モララーも我らの協力者となっている!無駄な抵抗は止めて投降せよ!
    我らに従う者は武器を取れ、チョコレートを投げ捨てろ!!!
    VIP高は我々のものである!そのVIP高にバレンタインなど不用だ!!!」


<#`∀´>(*‘_L’),(・)(・),「うおぉぉぉぉぉっ!!!!」\(^o^)/【+  】# ゞ゚)(#’e’)

('(゚∀゚*∩「ぼくたちも やるよ! やるよ!」


俺の声に同士たちが倉庫からかっぱらってきたスコップや箒を掲げて叫ぶ。
いいぞ、同士たちよ!ただ、砲丸は武器としては若干使えないから地面に置け。
流石に人死にが出るのはマズイ。


(*・∀ ・)「2-4の斉藤またんき!協力するよ!
      デレさんが好きだぁー!!!」

(;´・_ゝ・`)「1-5男子有志一同も協力する!」

爪;∀;)「モララー様が言うなら仕方ないのだぁ」


おお、放送による反響が次々と。
チョコレートを投げ捨てるダイナミックなおにゃのこも結構いるぞ。
イケメン効果怖い。イケメン様の言うことなら同意するよ精神が怖いっ。
乗り込んで止めるなんて、委員長やデレたんのようなアクティブな奴は少ないようだしいける!


ミセ;゚ー゚)リζ(゚ー゚;ζ「しまったぁぁぁぁっ!!!」


(#'A`)「デレたんもこのように喜んでおります!
    同士の皆様のご協力に感謝します!!!!」


(゚、゚;トソン「……油断しました」

(´・ω・`)「ドクオの邪魔はさせないよ」


よし、俺たちには完全に追い風が吹いている。
学校の誇るイケメンと、学園のアイドルの力があればいける!いけるぞ!
俺は手近な武器を手にとって宙に掲げる。


(#゚A゚)「バレンタインの中止を俺たちは宣言す!!!」



川 ゚ -゚)「随分、問題を起してくれたようだな鬱田ドクオ」


――凛とした声が俺の声を遮った。
長い黒髪、白い肌の人形のような美人。ただし、胸はバイバイン。
今は亡きイケメン・ジョルジュ長岡が見たら、真っ先にダイブしてむしゃぶりつきそうな胸だった。
それもいいが、やや長めのスカートの下からのぞく黒ストッキングに包まれた足が無性にエロイ。


(*'A`)「なんというけしからん胸、それに足……」

ζ(゚ー゚#ζ「なんで会長の方が美人っぽいリアクションなんだよ、オイ。
        ……じゃなかった、デレも胸にはちょっと自信があるかなぁ☆」

ミセ*゚ー゚)リ「会長には負けてるけどねー」

ζ(゚益゚#ζ「やんのか、貧乳?」

ミセ#゚皿゚)リ「小さいほうがかわいいブラが多いんだい!」

\(^o^)/「デレたんファンの ライフ オワタ」


ケンカをするデレたんとミセリたんには脇目をふらず、ナイス乳は俺たちの顔を見る。
黒ストッキングのナイス乳女神は片手に通学鞄。もう片手には、生徒手帳を持っている。
少なくともこれは武器ではないよな?


(;´・ω・`)「会長。どうしてここに……」

(;'A`)「会長?……そうか、生徒会長か!!!
    乳に気を取られて気づかなかったぜ!」

(゚、゚トソン「会長は彼らを止めに?」


ナイス乳もとい会長は、生徒手帳を読みあげながら俺たちに近づいてくる。
その声は声優とかアナウンサーやったほうがいいんじゃないかというくらいの美声。

川 ゚ -゚)「VIP高等学校生徒手帳、生徒心得

     『校内外での掲示、印刷物の配布、集会及び団体の結成及び参加
      にはあらかじめ許可を必要とする』
     『授業、部活動を除く、校地、校舎、設備、備品等の使用
      にはあらかじめ許可を必要とする』 」

(;´・ω・`)「……それがどうしたと言うんですか?」

川 ゚ -゚)「ふむ。まだまだ、あるな

     『生徒間での金品の徴収の禁止』
     『高校生としての自覚を持ち、言葉づかいや身だしなみ、態度等、
      他者を思いやり、不快気持ちを与えないようにしよう』

     これが君たちの犯した校則違反だ」


表情を少しも崩さずに会長は言ってのける。
校則なんていちいち見るかよ。そんなの知るか!


(#'A`)「俺たちは俺たちの信念で動いている。
    それには校則なんて関係ないっ!」

(#‘_L’)「そうです、我々はドクオさんについて行こうと決めたんです!」

<#`∀´>「校則はウリたちが決めるニダ!」


俺はメガフォンの電源を入れ生徒会長に声を出す。
ここで、美人の生徒会長の横やりなんて入れられてたまるか。
俺たちは本来、圧倒的に不利。ここでやらなきゃやられるっ!


(#'A`)「俺たちは俺たちの信念を達成するまで止まらない!」


川 ゚ -゚)「君たちが校則を知った上で動いているのならばそれで構わない。
     しかし、君達に信念があるように私にも譲れないものがある」

(´・ω・`)「……会長」

川 ゚ ー゚)「私は君たちを止めてみせる。何よりも私のためにだ」

(#'A`)「止めれるものなら、止めて見やがれ!」


俺は手にした武器を会長に向ける。
――やべぇ、これトイレのすっぽんじゃねーか。誰だよこんなの持ってきた奴。
ある意味最強の武器なんだろうが、格好悪いぞこれは。


(゚、゚;トソン「そんな物を武器にするなんて、恥ずかしいとは思わないのですか?」

(#'A`)「うっせぇ、勝てばいいんだよ勝てば!」

(;´・ω・`)「ドクオ、会長は……」


俺にすっぽんを向けられても、委員長は余裕の笑みを崩さない。
秘策でもあるのか?しかし、伏兵の姿も特に恐ろしい武器の存在も見えないが。
会長は生徒手帳をポケットへと戻し、俺の顔を見返す。


川 ゚ ー゚)「鬱田ドクオ。君は、私には勝てないよ」

(#'A`)「なっ……」


(#‘_L’)「ドクオさんが負けるはずがありませんっ!」

<#`∀´>「情報統制は政策の基本!騙されるのは愚の骨頂ニダ!」

(#’e’)「やっちまえ、ドクオさんっ!!!」


臭いを放つすっぽんにも動じない会長に、同士たちの間にも動揺が広がる。
ショボンも動揺しているのか言葉少なだ。


川 ゚ -゚)「もう一度言おう。鬱田ドクオ、君では私を倒すことはできないよ」


そう会長が笑った瞬間、


     (# Д )『うぉぉぉぉおおおお!!覚悟しろっ、モララーぁっ!!!』


ずっと異音を流していた校内放送のスピーカーが、ひときわ大きな音をあげた。
その後に続くのは、男子生徒の咆吼。
モナーの焦った声があがり、それからモララーの余裕にみちあふれた声。

会長はその一連の放送に眉一つ動かさずに、ポケットからあるものを取り出した。
それは――――



【 lw´‐ _‐ノv 】 職員室そば倉庫


( ФωФ)「ようやく見つけたのである」


食後の軽い運動と、大宇宙と交信するための暗黒儀式に満足した私は、ドリームランドへと旅だった。
しかし、ドリームランドへでの戦いむなしく、小生此岸の世界へ帰還せりでありけりはべりいまそかり。
乙女を蹴るという悪逆非道の猫魔神(ネタバレだけどラスボス予定)と戦う魔法米仙人シュールちゃん。


lw´‐ _‐ノv「しかしそれを果たして現実と言えるのか?
       人の見る世界とは所詮、脳という器官のつくりだした幻想に過ぎない」

(#ФωФ)「適当な事を言って誤魔化すのは止めるのである」

lw´‐ _‐ノv「ねむい」

(#ФωФ)「人 の 話 を 聞 け」


有事のための我が非常用最前線に攻め入るとはこの魔神流石だよな俺ら。
俺のばいんばいんなバストはちっちちちおっぱーいな流れで貧乳党には不評とみたり。
いぁ!いぁ!窓に窓に!


(#ФωФ)「お前は学校の倉庫に私物を持ち込んで何をしているのだ!」

lw´‐ _‐ノv「いわのなかにいるようだ」

(#ФωФ)「会話をしろ!会話を!」

lw´‐ _‐ノv「補給コマンドうめぇwwwボスボロットつかう気になれん」


布団を広げて気分は山岳キャンプ、いざフロイト理論の体現へ爆走兄弟レッツ&ゴー。
妖怪に会わないように枕はばっちり清涼院流水もしくはガンガン。
ペットボトルって湯たんぽになるんだよ。ウチのばっちゃが言ってた。


(#ФωФ)「せっかく起したのにまた寝る気か!
        起きろ!我輩の話を聞け、我輩の言葉に答えるのである!」

lw*´‐ _‐ノv「それはプロポーズ?」

( ФωФ) 「それはない」

lw#´‐ _‐ノv「騙したのねこのケダモノ!特別保護区!」

(;ФωФ)「もういい。お前に聞いた我輩が愚かであった。
       我輩はこれから話すから黙って聞くのである」


俺に黙って着いてこいとは中々に積極的、おねえちゃんドキドキ。
ねえ、ちゃんとしよう?そういえば、第三の目のある種族では近親相姦は禁止らしいよ。
そもそも日本人の妹萌えは神話の時代からはじまっていたけど、この時代には姉萌えもあったよ。
でも時代は稚児萌えだよね。だってテラの病だもん!そういう私は魚沼産コシヒカリ派だけどね。


( ФωФ)「予定していた質問は、
        何故倉庫を自分の部屋にしているのか?
        何故、教室のロッカーにいたのか?
        職員室封鎖したのはお前であろう?
        今まで何をしていた?
        の4つであったのだが、お前に話させると話が進まんので中止」

lw´‐ _‐ノv「うぐぅ」

( ФωФ)「とりあえず、職員室の封鎖は片付けろ。手伝ってやるから」

lw´‐ _‐ノv「うぼぁ」


いつからこの子はこんなに強引になっちゃったんだろうねぇ。
襟元を引きずるマニアックプレイなんて、子猫を運搬する母猫くらいしかしないよ。
そういえば猫にあげる猫まんまはタマネギとかネギを入れるといいらしいよ。死ぬけどね。
人間様の食事を食べるとはなんと生意気なやつ。ええいであえであえ出会い系サイト。


( ФωФ) 「先生達には後で一緒に謝ってあげるから、あきらめるのである」

lw*´‐ _‐ノv「うえぃ。ロマぴょん大好き!」


そうときまったら、さっさとかたづけて遊戯王だね。
ずっと俺のターンで再放送決定間違いなし。今夜の夕飯は米がうまい。



【 ( ФωФ) 】 職員室前


(;ФωФ)「ふぅ。お前、どれだけ釘を打ったのである。
       外すのが大変であろうが」

lw´‐ _‐ノv「くぎゅが一匹~、くぎゅが二匹~、くぎゅが三匹~」

(;ФωФ)「数えんでいい。とにかくひたすら打ったのだな」


シュールが私室状態にしていた倉庫から工具を持ち出し、作業をはじめることはや幾分。
予想以上に本格的に打ち付けられた職員室は手強かった。
この努力のベクトルは本来、学内の設備の修理とか、家の修理とかに使うものではないのか?
もしくは大工を本業にするのも、向いてると思うのであるが……。


     (;´∀`)『殴り合うのはやめるモナ』


殴り合い実況中継とかしている校内放送をBGMに我輩達はひたすら釘を外す。
何とか出入り出来るようになっても、これは窓の木材を外したりせねばならぬな。
まったく昔から面倒な事ばかり本気になりおって、我輩の立場というものも考えて貰いたい。


(;ФωФ)「他には余計なことをしてはいないだろうな?」

lw*´‐ _‐ノv「えへへーっ☆」

(#ФωФ)「よし、何をしたか言うのである」

lw´‐ _‐ノv「インズペリアス光線による老化を防ぐための原因物質の除去作業」


はじめからまともな返答など期待していなかったので、ポケットからコンビニのおにぎりを取り出す。
鬱田たちが教室を乗っ取っていたりしなければ、いや昼寝などしてないで教室を出てさえおれば、
こんなことにはならずちゃんと昼食もとれたはずなのである。
まったく、恨むぞ鬱田たちよ。


( ФωФ)「さて、お前のおかげで食べ損ねたおにぎりでも食べるか。
        魚沼産コシヒカリとは最近のコンビニもやるのであるな」

lw*´‐ _‐ノv「ロマロマ!あーん、あーん!!!」


そして、こいつもあっさりと釣れるし。
我輩はおにぎりの包装を外し、シュールの前でおにぎりをちらつかせる。


( ФωФ)「何をしたのか言うのである。でなきゃ、おにぎりはやらん」

lw´‐ _‐ノv「ロマの鬼畜ー!おにぎりー!!!」

(#ФωФ)「子供っぽくだだをこねてもダメ。
        お前はもう17歳だろうが。何で我輩がいちいちフォローせねばならんのだ」


lw´‐ _‐ノv「それはロマネたんが妾の弟だからじゃ!」

lw*´‐ _‐ノv「杉浦シュール(17)の弟、杉浦ロマネスク(15)さんだからなのじゃ!」


あえて触れなかった現実に触れるんじゃないシュール。
我輩は絶対に認めないぞ。生徒会長にだって苗字を言うのは嫌だったんだ。
この奇人変人が実の姉なのだと、我輩は断じて認めない。


(´ФωФ)「おにぎり食べるか」

lw;´‐ _‐ノv「らめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!シューたんこわれちゃうのぉぉぉぉぉぉ!!!」

(´ФωФ)「やっぱりおにぎりは梅干し、昆布、ツナマヨに限るのである」


大工作業は放置しておにぎりを咀嚼する。
ちなみに今、食べているのはたらこ。梅干しでも昆布でもツナマヨでもない。
バカ姉は放置しておにぎりを食べることに集中する。空きっ腹のおにぎりは最高であるな。


lw´; _;ノv「おにぎり……」

( ФωФ)「我輩の質問に答えるのである。答えなかったら、また食べるぞ」


そういいながら我輩はもう片方のポケットから、おにぎりをもう一つ取り出す。
こっちのおにぎりはたらこじゃなく、さきほどあけた三つの具のうちの一つ梅干しだ。
それを我輩はシュールの頭上かつ、奴の手が届かないギリギリのところに掲げる。


lw;´‐ _‐ノv「職員室の外にブルーシート。それだけ」

(;ФωФ)「ずいぶん本格的だな」

lw´‐ _‐ノv「やればできる子だから。
       ついでにいえばロマネスちゃんがびっくりすると思ってやってました」


我輩はため息をつきながらシュールにおにぎりを手渡す。
一人ですぐに出来る仕事じゃないだろうとあきれながら、残りのおにぎりを口に詰め込む。
やることが増えてしまったのだから、この封鎖をとっとと片付けてしまわなければならないな。


(;ФωФ)「本当に恨むぞ鬱田」


我輩は釘抜きを手にしながら、生徒会長のことを思う。
あの生徒会長が事態を解決するよりも前に、この作業を済ませなければならない。
それまでに本当にこの作業が終わるんだろうか?


lw*´‐ _‐ノv「おにぎりーおにぎりー」


――本当に今日は厄日だ。



【 ( ^ω^) 】 1-3教室


ξ;⊿;)ξ「忘れられてるのは知ってる。
       だけど、ずっとずっとあなたが好きだったの」


窓を破って突入した勇ましい委員長は、僕を好きだと言って泣いた。
普段は凶暴な委員長の泣き顔は弱々しくて、昔見た誰かによく似ていた。


ξ  )ξエーンエーン

( ^ω^)どうしたお?

ξ o )ξまいごになっちゃったの


その前や後にあったことは完全に消えているのに、ここだけは思い出せる。
夕焼け、公園、泣いているあの子。
映像すら浮かばないボンヤリとしたイメージの中で、僕とあの子が話している。


(;^ω^)それはこまったお。なまえはなんていうんだお?

ξ Δ )ξしらないひとになまえをおしえちゃだめってママが


記憶の中の僕はあの子のことを知らないらしい。
僕は何度も何度もあの子のことを思い返しているのに、記憶の中の僕は答えない。


( ^ω^)だったらきみのことは  ってよぶお
     ぼくのすきなテレビのおんなのこのなまえだお

ξ ー )ξだったらアンタはブーン。
      ブーンってあそんでたからブーン



ああ、僕はあの子のことを何と呼んでいたんだろう。
あの子はどんな顔をして笑っているんだろう?


ξ* ⊿)ξねえ、ブーン
      わたしねブーンがすき。おおきくなったらケッコンしてもいいよ

(*^ω^)ぼくも  がだいすきだお

ξ* ー)ξばーか。あたりまえでしょ


その言葉がその声が、目の前の女の子に重なった。


ξ;⊿;)ξ「ブーンが好き、本当は大好きなの」


どうして、僕は気づかなかったんだろう。
僕が大切にしていた思い出のあの女の子は、こんなに近くにいたのに。


     ξ#゚⊿゚)ξ「バカに決まってるでしょ!
            教室乗っ取って、何もしていない井洋や喪前に乱暴して。
            おまけに全校放送までするなんて、バカ以外の何ものでもないわ!」


今なら何であの委員長の言葉に、自分が腹を立てたのかわかる。
委員長の言う「バカ」という言葉と声が、あの子の女の子のものとあまりにそっくりだったからだ。
何も知らない委員長に僕の大切な女の子が汚されたようで、それが腹立たしかったのだ。

大切な女の子に気づかなかったのは、僕の方なのに。
委員長は、津出さんはずっと僕のことを見ていたのに。


(;^ω^)「泣かないでほしいお、委員長」


委員長に渡されたチョコレートが重かった。
思えば委員長は今日ずっと鞄を持って、僕たちを追いかけていたような気がする。
消火器の噴射にあっても、教室を追い出されても、僕に酷いことを言われても。


( ^ω^)「委員長のこと大嫌いなんていってゴメンだお。
      委員長は僕のことを思って言ってくれたのに」


僕は委員長に沢山謝らないといけない。
ショボンに言われるまでもなく、酷いことを言ったのは僕なのだから。
それだけじゃない、僕はあの子が好きといいながら何もわかっていなかった。


ξ;⊿;)ξ「バカなのは私。意地になって素直になれなくて
       ブーンに酷いこといっぱい言った。大嫌いって、バカって」


僕はどうしたら彼女の涙を止められるんだろう。
どうしたら、泣きやんでくれるんだろう。


(;^ω^)「委員長っ!」


僕はチョコをもったまま両腕を広げる。
もうバレンタイン中止も、教室にいる同士も、ドクオもどうでもいい。
委員長が僕の姿を見たのを確認すると、僕は両手を広げたまま教室を走り出した。


⊂二二二( ^ω^)二⊃「ほら、ブーン!ブーンだお!」


ブーンと気の狂ったように叫びながら机を蹴り倒し、椅子にのぼり、床に着地し走り回る。
委員長のビックリした顔、ブームくんやいとこのゆうたろうくんのそっくりな顔。
相変わらず縛られたままのいよぅくんや、廊下に集まってきている人の視線。
そんなものを受けながら僕は教室を走り回る。


ξ゚⊿)ξ「……」

⊂二二二( ^ω^)二⊃「笑ってほしいんだお――」


⊂二二二( ^ω^)二⊃「――ツン」


ああ、そうだ思い出した。
僕が彼女を呼んでいた名前。泣いていた彼女に僕がつけた名前。
僕が大好きな女の子の名前だ。


ξ゚⊿゚)ξ「おぼえてたの?」

(;^ω^)「正直言うとわすれてましたお。
      あ、でもツンと遊んだこととか、結婚の約束をしたことはしっかり覚えてたんだお」

ξ*゚⊿゚)ξ「……そういう時は、覚えてたって言えばいいのよ」


委員長が、津出さんが、ツンが少し赤くなっている。
ツンが泣きやんだのを見て僕は足を止めると、笑う。


(*^ω^)「僕はツンが大好きだお」


ツンのくれたチョコレートの袋を大切に抱え僕は、言う。
もう決してツンの名前を、顔を、声を忘れないように。


(*^ω^)「僕と結婚して下さいだお、ツン!!!」

ξ///)ξ「……ばか」


聞き慣れた罵倒の声なのに、とても幸せを感じる。
別にマゾって言う訳じゃないお。きっとツンの言葉だからだと思うんだお。

あの子の言うバカという言葉も悪口のはずなのに、ずっと好きだった。
きっとそれは、その言葉の裏に大好きって言葉がいっぱい隠されていたからだ。


ξ*゚ー゚)ξ「普通、いきなり結婚してくれなんて言わないわよ」

(*^ω^)「……でも、ツンは昔言ったお」

ξ*゚⊿゚)ξ「なっ、それは昔のことじゃないっ!!!」


ああ、やっぱり僕らの委員長は元気なのが一番だお。
泣いているツンもかわいいけど、ツンはやっぱり元気じゃないと。


(*^ω^)「ツン僕と結婚じゃ嫌ですかお?」

ξ///)ξ「……嫌なわけないじゃない、バカ」


沢山のチョコレートよりも、ツンのたった一箱のチョコレート。
ドクオたちとの熱い誓いよりも、大切な女の子の「バカ」の一言。
「バカ」って言葉が聞きたくて、僕はこれからツンに「大好きだお」って言い続けるんだと思う。


|  ^o^ |「おいてけぼり おいしいです」

| ^o^ |「まさかの はっぴーえんどとは これいかに」

(=;ω;)ノ「人のことさんざん殴っておいてこの展開なんて許せるかよぅ!」


あれ?君たちいたっけ?
正直忘れてたお。何か放送でもいろいろ流れてるし、どうなってるんだお。


⌒*リ;´・-・リ「えーと、おめでとう?」

爪゚ー゚)「なんというラブコメ」

(゜д゜@「あらやだ」

/ ゚、。 / 彡 l v lミ「超展開乙」


(;^ω^)「あーーーっ!!!僕たち学内のチョコレート総取り計画中だったお!」

ξ;゚⊿゚)ξ「え?忘れてたのアンタ?!」


いつの間にか廊下に集っている人の群れで、僕の意識は我に返った。
そういえば僕たちバレンタインだから学校乗っ取る予定だったんですよねー。
あはは、どうするどうするお、僕!


(;^ω^)「あーードクオ絶対怒ってるおー。ショボンにも怒られちゃうおー。
      ペニサス部長超怖いお、モララーくんの冷笑が頭に浮かぶおー」

ξ;゚⊿゚)ξ「アンタたちはカップル潰すって言ってたけど、
       そのアンタがくっついちゃった場合どうなるの?」

( ^ω^)「くっつくって……あ」

ξ//⊿)ξ「べ、別に私とアンタがくっついたとかそう思ってる訳じゃないんだから!
       ……ただ、結婚しようってそういう意味かなとかゴニョゴニョ」


ツン超かわいいお!
ドクオたちが束になっても叶わないくらいかわいいお!
ドクオといえば昨日、ツンのことキツイって言ってたお。許せんお!


(*^ω^)「そうだお!僕とツンは結婚するんだからもうドクオに協力できないお!」

ξ;゚⊿゚)ξ「それでいいの?!」

(*^ω^)「僕はツンがいればそれでいいお!
      ドクオたちには後で謝るからいいお。というわけで、携帯ピポパっと」


携帯でドクオの携帯を呼び出して電話を掛ける。
あ、せっかくだから結婚の報告もするお。


('A`;)】『どうした?何か困ったことでもあったか?』

(*^ω^)】「思い出の女の子が委員長のツンで結婚することになりましたお!
       つきましては作戦に協力することができなくなりましたお」

(;'A`)】『は?おいちょっと待て!何言ってるかわからんぞ?!』

(*^ω^)】「僕とツンはラブラブハッピーだから、協力できなくなったお!」

(;'A`)】「待て!思い出の女の子って脳内とかレアモンスターじゃないのか?!
     帰ってこい!おい、内藤っ!!!!」


まだ、携帯からドクオの声が聞こえるけど僕は携帯の通話ボタンを切り電源を切る。
あ、そうだツンに携帯の番号とメルアドも聞かなきゃだお。


ξ///)ξ「……」

(;^ω^)「ツン、真っ赤だお。熱でも出てきたんじゃないかお?」


僕はツンの頭をぽんぽんと撫で「いたいのいたいの飛んでいけーだお」と言ってから教室を見回す。
教室には奪ったチョコを食べながら立ちつくすブームくんと、いとこのゆうたろうくんと、いよぅくん。
教室の外にはクラスの子やら、野次馬っぽい知らない人がいっぱいいる。
僕は一度息を吸うと、それから大きな声を出して叫んだ。


( ^ω^)「僕、内藤ホライゾンは投降し、この1-3教室を開放することを宣言するお!」



【 (*゚ー゚) 】 廊下


('、`#川「ほらほら、先は長いわよ少女A!」

(*;ー;)「あの……あの……私……」

('、`#川「言いたいことは簡潔に三行でまとめなさいっ!
     偽川と違って、私は女には厳しいわよ」

(*;ー;)「私……私っ……」

('、`*川「はいっ、時間切れー。さあ、次行くわよ」


廊下であった女の人に、紙の束を半分持たされながら私は廊下を歩いていた。
私は放送室に行きたかったのに、女の人は強引に私をひっぱっていく。
うぅっ、この紙の束の中には男の人の裸の写真やイラストがいっぱい……。やだよぉ。


('、`*川「親切な人(と書いて下僕と読む)がいて助かっちゃったわぁ。
     大丈夫よ、貴女のことは漫研の新メンバーとしてかわいがってあげあるから!
     初心者向けの選書はばっちりよ!あなたの好きなジャンルがあればどんどん語って!」

(*;ー;)「……私、チョコレートを……」

Σ('、`;川「チョコレートプレイっ?!あんたおとなしそうなのにやるわねっ……!」


女の人は、私にはちょっとよくわからない話を嬉しそうにしている。


(*;ー;)「……そうじゃなくて、ですね」

('、`*川「プレイじゃハード?口移しくらい?そりゃあ、正当派ね!いいわ!」


私は、この女の人に引きづられてあちこちの掲示板にプリントを貼って回らされていた。
……プリントの内容は思い出したくないです。うぅっ。
なんとかしてギコくんのところへ行かなきゃいけないのに、私は足踏みをしたまま。
いやだなぁ、私。暗い考えでまた頭がいっぱいになっちゃう。


('、`*川「さぁ、行くわよ!各教室巡りの旅に……」

(;゚ー゚)「……っ!」


ダメ。このままじゃ、また教室にもどっちゃう。
何も出来ないまま、教室に戻るのは、嫌。
勇気を出して、声を上げなきゃ。怖いなんて思っちゃダメっ。


     (# Д )『うぉぉぉぉおおおお!!覚悟しろっ、モララーぁっ!!!』


その時、私の大好きなギコくんの怖い声が聞こえた。
ギコくんはここにはいない。だから、その声はもっと遠くから聞こえてきたもので……。
その声はモララーくんのことをとっても怒っていて、私の胸はぎゅっと苦しくなる。


('、`;川「……こ、これは痴話喧嘩フラグっ!幼なじみ強制イベントktkr!」

(;゚ー゚)「あのっ……聞いて下さいっ!」

('、`#川「ちょっと、私はちょうど天からネタとイベントが……」

(;゚ー゚)「私、行かなきゃいけないんですっ」


中学生の頃、ギコくんとモララーくんが学校の出し物をめぐって大げんかをしたことを思い出す。
きっかけは些細なことだったのに大げんかになって、二人は血まみれになっても止まらなかった。
あの時、私はただ泣くことしかできなかった。
がんばって止めようとするモナーくんを見ているだけだった。

……あのときと同じ、ギコくんのすごく怒った声。
ギコくんはモララーくんのことを止めるって言ってたけど、このままじゃ大変なことになる。
二人の喧嘩なんてもう、見たくない。


('、`;川「おっ?」

(;゚ー゚)「お手伝い出来なくてごめんなさいっ。でも……でも、私……」

('、`*川「……おお、少女Aも言えるじゃん!
     なんだかわかんないけど、行っていいわよ。手伝ってくれてありがとね」

(*゚ー゚)「ありがとうございますっ!」

('、`;川「……さてと、他の下僕でもさがすかね。
     このままじゃネタ帳にメモもできないじゃない」


私は女の人にプリントを返すと、礼をして廊下を走り出す。
廊下は走っちゃいけないって規則があるけど、今日だけは許して下さい。
スピーカーから聞こえてくるギコくんたちの声に胸が張り裂けそうになりながら、走る。


(;゚ー゚)「お願い間に合って……」


誰も居ない廊下は、渡り廊下は、気が遠くなりそうなくらい遠かった。
それでも走って、私は放送室の前へとたどり着く。
嫌な予感に頭がガンガンと鳴る。走りすぎて、息を吸うのも苦しい。


(#´∀`)「やめるモナぁぁぁあぁああああ!!!」


そして、私は殴り合う二人の姿を見た。
その姿は制服が変わったこと以外は中学生のあの時のままで、
それを止めるモナーくんの姿もあの時と同じで……


(#゚ー゚)「やめてっ!!!」


私は、まるで悲鳴のように声を上げた。


(;´∀`)「――しぃちゃんっ!危ないモナっ!!!」


モナーくんの制止の声を振り切って、放送室の中に入る。
ギコくんとモララーくんを引きはがそうとするけど、二人は重くてとても引きはがせない。


(*;ー;)「止めてっ!止めてよっ!!!」

(;´∀`)「しぃちゃんっ!!!」

(*;ー;)「放してっ!二人ともまた大怪我しちゃう、そんなの嫌っ!!」


モナーくんが私を止めようとしてくれるけど、私は首をふって拒絶する。
ギコくんの上着をひっぱり、モララーくんとの間に強引に体をねじ込ませる。
モララーくんの顔から血が流れているのを見た、ギコくんの制服が上履きの足跡だらけなのを見た。


(;・∀・)「……しぃちゃん」

(゚Д゚;,,)「――しぃ、教室で待ってろって!」

(*;ー;)「嫌なの、私のせいで二人が喧嘩するのは」


涙をぬぐう。けど、それは止まらない。
廊下を走る間ずっと聞こえていた、ギコくんとモララーくんの声。
私のために殴り合う二人の声。

チョコレートに浮かれていたのは私だけだった。
自分のことばかり考えていて、大切な二人を傷つけていることに気づかなかった。
私は私のわがままのせいで、ギコくんにもモララーくんにも、モナーくんにまで迷惑を掛けていた。


(*;ー;)「ごめんなさい、モララーくん。
     モララーくんの気持ちに気がつかなくて、お兄ちゃんみたいってずっと頼ってて。
     モララーくんのこと好きな子だっていっぱいいたのに、甘えちゃってごめんなさい」

(;・∀・)「……っ、違う。僕はっ……」

(*;ー;)「モララーくんの気持ちに答えられなくて、ごめんなさい」

(;-∀-)「……謝らなくていいんだよ。
       僕はずっと君の気持ちに気づいていたし、知っていたから。
       それに、しぃちゃんは言ってくれたじゃないか昼休みに」


鈍感でごめんなさい。気づけなくてごめんなさい。甘えてごめんなさい。
幼なじみの関係を壊したくない。私のわがままのせいで苦しめてごめんなさい。


(,,;゚Д゚)「お前、モララーのことが好きじゃなかったのか?」


ギコくんが呆然とした顔で私の顔を見る。
その顔は、モララーくんに殴られたのかほほが赤く染まっている。


(#・∀・)「しぃちゃんが僕のことを好きだったら、こんなことなんかしてないよ!!
      しぃちゃんはなぁ、ずっとずっとお前のことしか見てないんだよ!
      僕だってずっとずっと同じくらいしぃちゃんのことが好きなのに」

(#´∀`)「ギコも鈍感にもほどがあるモナ!モララーがヤケになったのもギコのせいだモナ!
      そもそもギコがはっきりしないのがいけないんだモナ!
      こっちとら幼稚園のころからハラハラしっぱなしモナ!!!」

(,,;゚Д゚)Z「え?え?ちょ、何で知ってるんだよ、お前らっ!」


私は涙をぬぐう。
こんなにモララーくんを傷つけたのに、さらに傷つけるようなことをしてごめんなさい。
そして、これから私がすることを許して下さい。


(*゚ー゚)「ギコくんが好き」


私は手提げ袋から、昨日作ったチョコレートの箱を取り出す。
ピンク色の包装紙に、赤いリボン。それからお花の飾りつけ。
そのチョコレートの箱をギコくんに差し出しながら、声をあげる。


(;゚ー゚)「……私っ、……私はっ、ギコくんが、好き」


一度はちゃんと言えたのに、ギコくんが見ていると思うと上手く言葉が出てこない。
なんども口をひらき声をつっかえながら、ようやくそう告げる。


(* o )「……好きなの。
     ギコくんの真剣な顔が好き。イジワルだけど優しいところが好き。
     怪我しても私たちを守ってくれるところが好き。
     いいところも悪いところも全部、全部好きなのっ!」

(,,;゚Д゚)「……しぃ」

(*///)「ずっと、ずっと、好きでした。
     ……私とお付き合いしてください」


お願い今だけでいいから私に勇気をください。
ギコくんの顔をじっと見つめる勇気を、あなたのことが好きって言える勇気をください。


(,,;゚Д゚)「……俺でいいのか?」

(*///)「ギコくんじゃなきゃダメなの。
     小学校に入る前から、ずっとずっと好きだったんです」

(,,*゚Д゚)「――しぃ」


ギコくんの体が私の体をぎゅっとした。
ギコくんに抱きしめられて私の心臓もぎゅっと高くなる。


(,,*゚Д゚)「俺もしぃのことが好きだ。……愛してる」


( T∀T)「いい話だモナ。本当によかったモナ」

( ;∀;)「僕はしぃちゃんのことしか見てこなかったのに……」

( T∀T)「うんうん。モララーはがんばったモナ。
      今はモナと一緒に泣くといいモナ」


幸せすぎて息が止まりそう。
私はギコくんに「好き」って言えるだけで満足なのに、ギコくんは私のこと好きだと言ってくれた。
それが幸せで、死んでしまっても……


( ;∀;)「うわぁぁぁぁぁっぁぁぁっっ!!!
      死ぬんだ!死んでやるぅぅっっっ!!!」


死んでしまっても……って、モララーくんっ?!
あわわわ、幸せって言ってる場合じゃなかった。
モララーくん!どうしよう、モララーくんがいつものモララーくんじゃない!


(;゚ー゚)(,,;゚Д゚)(;´∀`)「止めてぇぇぇぇぇぇぇ!!!」


私とギコくんはあわてて離れてモララーくんに向う。
モナーくんは叫びだしたモララーくんを羽交い締めにして、暴れ出すのを止めている。
いつも落ち着いているモララーくんが取り乱すなんて、
幼稚園のころギコくんにショートケーキの苺を取られて泣き出して以来。


( ;∀;)「いっそのこと殺せぇぇぇぇぇぇぇ!!!
      しぃちゃんのいない世界なんか滅びればいいんだ!!!」

(;゚ー゚)「落ち着いて、モララーくん!私はここにいるから。嫌いになんかならないから」

(,,;゚Д゚)Z ガーン

(;´∀`)「ギコも見てないで、モララーを止めるモナ!」


私の言葉にモララーくんは、いつもの表情にもどる。
モララーくんのいつもの笑顔。うん、モララーくんはやっぱりその表情じゃないと。


( ・∀・)「……でも、お兄ちゃんなんだろ?」

(;゚ー゚)「……お、弟とかお父さんでも」


ああ、私のバカっ!でも、モララーくんは大切な幼なじみで、私の特別はギコくんで……あぅ。


( ;∀;)「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!
      二人とも幸せになって結婚して子供作って孫の成長見守りながら死ねぇ!!!!」

(,,*゚Д゚)(*///)


ごめんね、モララーくん。でも、応援してくれてありがとう。



【 川 ゚ -゚) 】 校門前


鬱田を倒すには皆の前で圧倒的な力で屈服させなければならない。
では、圧倒的な力で屈服させるためには何が有効だろうか?

校庭から鬱田たちの声が聞こえてきたときから私はずっと考えていた。
鬱田のカリスマ性と行動力はやっかいだ。
その作戦には穴が多いが、その行き当たりばったりな行動であるが故に予測がつかない。


川 ゚ -゚)「……力では鬱田には勝てない。やめてくれと頼むのも当然却下。
     権力に訴えるのは……逆効果だな」


ヒートの様な強さ、杉浦の様な体格、猫谷の様な反射神経の鋭さ、麗子の様な行動力。
どれも、私には無いものだ。私にできることと言ったら、頭を動かすことくらいだ。
しかし、予測不能な事態の連続でその頭すらも上手く動かない。
……ああ、私はどうすればいい?どうすれば鬱田と彼を止められる?


川 ゚ -゚)「私が持っているのは、携帯電話と鞄と教科書と……」


携帯電話?ヒートとも連絡のつかない今、誰に連絡を取れと言うのだろうか?
教科書?私にはコントロールができないから投げたとしても上手くいくはずがない。
私に残された物はあと……


川;゚ -゚)「これは使えないな」


鞄の中に眠っていたのは、今となっては何の役にも立たない物だ。
しかし、いや、でも……。
鬱田ドクオが私の知る通りの人物であり、私の分析が正しいのならば、これは最大の武器になる。


川 ゚ -゚)「――確実性が欲しいところだが仕方がないか。
     無謀な賭は嫌いなんだがな」


落ち着いて情報を集め、機会を窺う。今日の私はこれで失敗している。
それならば、いっそ動こうと決めたのがついさっき。
私はもう躊躇っている場合ではないのだ。分が悪い賭でも乗るしかない。
私はそれをポケットの中に入れる。


川 ゚ -゚)「これを使うには鬱田に近づく必要があるな」


彼らに近づくにはどうしたらいいだろう?
こちらに武力行使をする意図がないことを示しつつ、彼らに近づくためには……。


川 ゚ -゚)「……生徒手帳でも読み上げてみるか」


あまりにもずさんな作戦であることは自分でもわかっている。
しかし、突入までに残された時間は少ない。
私は鬱田たちの様に行き当たりばったりの自分を嘆きつつも、生徒手帳を手にした。


川 ゚ -゚)「もう一度言おう。鬱田ドクオ、君では私を倒すことはできないよ」


そして、私は鬱田ドクオと対峙している。

彼の手にはトイレから持ち出されたであろう清掃道具が握られ、その切っ先は私を向いている。
気の棒の先に取り付けられた黒光りするゴムが生々しい。
鬱田ドクオに向って私はポケットに入れておいた物を取り出す。


――何の変哲もない板チョコ一枚。


(;'A`)「なっ!」

川 ゚ ー゚)「私から君へのプレゼントだ。受け取って欲しい」

(;´・ω・`)Z「……っ!!!」


しかし、そのチョコ一枚で空気は激変した。

もとより放送で動揺こそしていたが、その変化はより顕著だった。
鬱田たちは驚愕の声をあげ、その仲間の思われる男子生徒たちも動揺の声を上げる。
かつて職員室前で出会った三人の女生徒も、驚愕の表情で私に視線を向けている。


川 ゚ -゚)「私からのチョコレートは嫌か?」


川 ゚ -゚)「そんなにチョコレートは欲しくないのか?」

(;'A`)「……チョコだ……と……」


(;´・ω・`)「ダメだっ、ドクオっ!!!」


彼らは元はチョコレートを貰えないという恨みで凝り固まった人間達だ。
その本心は誰もがチョコレートを欲している。その心の隙さえつければ私の勝ちだ。

ミセ;゚ー゚)リ「ちょっ、どういうことなのよー」

ζ(゚ー゚;ζ「デレちゃんが知るわけないでしょう!」

(゚、゚;トソン「天変地異の前触れです」


<;`∀´>「コレは隠謀ニダ!世の中は隠謀と隠蔽と謀殺で回ってるニダ!!」

(’e’;)「大いなる意志としか」

('(゚∀゚;∩「会長が ご乱心 だよ! だよ!」


三人の女生徒が、
鬱田たちのカリスマと行動力にひかれて集まった男子生徒たちが、ざわめく。
その中で、鬱田は動かない。


川 ゚ ー゚)「君に受け取って貰いたいんだ」

('∀`)「生徒会長が俺にチョコ……巨乳黒ストッキング女神が……」


口元をあげて微笑みを作ると、鬱田もだらしのない顔を向ける。
みろ、俺は人生の勝利者だと言わんばかりの笑み。
鬱田の権威とカリスマを失墜させるのならば、今がその好機。


川 ゚ ー゚)「欲しいか?」

(*'∀`)「はいっ!!!」

(#´・ω・`)「ダメだドクオ!コレは罠だ落ち着けっ!!!!」


その中でただ一人、鬱田を制止する声が上がる。
眉下ショボン、VIP高のたった一人の図書委員。その彼が大声で鬱田を制止する。


('A`)「おいおい嫉妬は見苦しいぜショボンくんよ。
   お前だって会長のチョコ……欲しいんだろ?」

(;´・ω・`)「――っ!!!」

(#'A`)「俺は貰うぜ!これが人生はじめてのカーチャン以外の女からのチョコなんだよ!
    たとえ罠でも、何が待ちかまえていようとも俺はっ、俺はっ!!!」

(;´・ω・`)「だめだっ、それがどう言うことなのかわかっているのか?!」

(#'A`)「それでも俺はっ、チョコが欲しいんだ!!!
     お前もそうだろ?たまには素直になってみせろよ!」

(;´・ω・`)「……」


欲望に忠実な、鬱田の熱い声が校庭に轟く。
だけど、鬱田はそれがどういう意味を持つのかに気づいていない。
彼の場合気づいていても同じ行動を取りそうではあるが、どちらにせよ結果は変わらない。


川 ゚ -゚)「私のチョコがほしければはいつくばってブヒブヒ鳴け。
     そして、私の靴をなめて『降伏しますクー様』と叫べ!」


(;'A`)「なっ!!」

川 ゚ -゚)「いらないのか?
     いらないのならばこのチョコはこの場で私が食べる。
     君たちは自由に学校占拠を続け給え」


私は板チョコの放送をその場でペリペリとはがし始める。
頼むぞ、食いついてくれ鬱田ドクオ。そして、そのカリスマを失墜させろ。


(;'A`)「く、食うくらいならこの俺に!私めにチョコを!!!」

川 ゚ -゚)「君たちはバレンタインを無くすのだろう?
     それならば、君たち自身もチョコレートを貰えないと言うことではないか。
     君たちが降伏しないかぎり、このチョコは渡せない」

('A`)「……」

(;´・ω・`)「ドクオっ!!!」

('A`)「ショボン……お前に言っておくことがある……」


鬱田は視線を私から、眉下ショボンへと向ける。
その目は真剣で、人生経験を積み重ねた者だけがもつ揺るぎない強さに満ちていた。


b('∀`)「男にはそれでもやらなければならないことがあるんだ」


鬱田ドクオはこの上もなくさわやかな笑顔を浮かべて、


(*'∀`)「クー様ぁ!この哀れな豚乞食めにチョコレートのお恵みをぉぉぉぉ!!!
     そして、その靴をなめる幸福をお与え下さったことに感謝します!!」


感動的なまでに美しく、プロそのものの姿勢で土下座をした。
おまけに素早い動きで、私の…私の靴に……ひっ。
な、舐めた。本当に……き、気持ち悪い……やめろっ!!


川;゚ -゚)「お前にプライドというものはないのか!」

(*'∀`)「クー様の靴を舐める幸福の前にはそのようなもの必要ありませぬ。
     クー様の前に降伏します!ブヒブヒ!許されることならば、チョコだけじゃなくて、奴隷にぃぃぃ!!
     クー様っ!!クーさまぁん!クーにゃぁぁぁぁぁああああああああああああああん!!!
     あああああ…ああ…あっあっー!あぁあ!!!くーにゃんくーにゃんクー様ぁぁあああ!!!
     クンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
     んはぁっ!クーにゃんの美しい黒髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
     間違えた!スリスリしたいお!スリスリ!スリスリ!黒ストッキングハァハァ!…きゅんきゅんきゅい!!
     くーにゃんのバストに僕の股間も限界!!あぁあ…あああ…あっあぁあ!!ふぁぁああんんっ!!
     生徒会長2期決まって良かったねクーにゃぁんっ!!かっこいい!クー様!かっこいい!
     くーにゃんは靴までかぐわしくてしてぃてむはぁはぁはぁぁぁぁあん!!!ねぇ裏側も舐めていい?
     ううっうぅうう!!踏んでっ!!その御足で僕ちんを踏んでくださぁぁぁああ!!むはっあぁぁぁぁ!!
     その軽蔑するようなどんびきの顔で俺をみてぇえぇぇえええぇえぇっ!!はぁぁぁあああんんん!!
     俺の想いよクーにゃんへ届け!!クー様の御心へ届け!
     あぁぁでも俺は豚なのぉぉっ!!クー様に奉仕するだけの豚奴隷なのぉぁああああ…あああぁ!!」


背筋がぞわっとしたぞ。
気持ち悪い。靴を舐めるな、足にまとわりつかないでくれっ!!!
ひ、人としてのプライドはどこに置き忘れてきたのだ?


川;゚ -゚)「ひぃっ」


落ち着け、クールになれ素直クー。私の名前のクーの文字は飾りか?違うだろう?
ここまでやって来た目的を思い出すんだ。おびえている場合ではないだろう。


川#゚ -゚)「そこにひれ伏して喋るな豚っ!」

(*'∀`)「ブヒッ!」


よし、これで鬱田は黙ったな。……黙った、よな?
大切なものをいろいろ失いはしたが、これで鬱田を黙らせることができたんだよな。
チョコ一枚でこれほどまでに恐ろしいことになるとは思わなかった。


ミセ;゚ー゚)リζ(゚、゚;ζ「……」

(゚、゚;トソン「死ねばいいのに。本気で」


( ;_L;),;(・)(・),【+  】; ゞ゚)「……」('(;∀;∩(’e’;)(´ー`;)

<;ヽ`∀´>「アイゴー」

/(^o^)\ナンテコッタイ


(;・∀ ・)「……これはないわ」

(;´・_ゝ・`)「あのー、1-5男子一同やっぱなしで」


不気味な沈黙があたりに満ちた。
校庭に集う者や教室から校庭を覗き見ていた者達の、視線が私たちに突き刺さる。


川 ;∀;)「ブヒブヒ鳴きながら、この集会の解散を告げろ豚っ!!」

(*'∀`)「了解ですブヒ!皆の者解散じゃっ!!!」


あまりに大きな代償を支払って私は、勝った。
私の心とプライドはズタズタ、学内での私の評判がどうなるか知りたくない。
私はあふれ出る涙をこらえながら、鬱田にチョコレートを渡……


(#´・ω・`)「たとえ、ドクオが屈しても僕はこの会を解散なんかにさせやしないっ!」

川;゚ -゚)「――っ」


怒声が響いた。
温厚な彼の大声を私ははじめて聞いた。
彼は怒っている。私が彼を怒らせた。私は彼に敵意なんて持っていないのに。


( ;_L;),;(・)(・),【+  】; ゞ゚)「……ショボン参謀っ!」('(;∀;∩(’e’;)(´ー`;)


(#´・ω・`)「会長……あなたは……」

川;゚ -゚)「ショボン。君は……」


手にしたチョコレートが地に落ち、パキリと割れた。



【 (´・ω・`) 】 校門


(*'∀`)「クー様のチョコだっ!チョコだよぉぉぉぉ!!!」


張り詰めた空気が校庭に満ちる。
そんな中ドクオは、会長の手から落ちたチョコレートを歓声を上げて拾い上げる。
その表情はどこまでも嬉しそうで……どす黒い思いがこみ上げてくることを止めることができない。


(#´・ω・`)「あなたはどうして僕たちの邪魔をするんだ!」

川;゚ -゚)「……私は私の為に君たちを止めようと。
     そ、そう言う君こそどうなんだ。普段はおとなしい君が何故?」


会長の言葉には普段のキレがない。その表情もどこか曇っていた。
傲慢に見えるまでの冷静さ、あまり表情の変わらない……それでも美しい顔。
それが、僕の知る会長だ。僕の知る会長は自分のことを優先するはずだ。


川;゚ -゚)「答えてくれ、ショボン。友人のためか?それとも、私への腹いせのためか?
     私が悪いのならば謝ろう。君に図書委員の仕事を強要するのは止める」


昼休みと放課後の毎日二回。僕は図書室を開け、開館時間の間ずっと仕事をする。
仕事をほとんどしない図書の先生に代わり、時間通りの開館。目録の整理。蔵書整理。
図書館に僕以外の図書委員がいないのは、会長が仕事を厳しく要求するから。
他の図書委員達はとっくに逃げてしまった。


川 ゚ -゚)「ショボン。君は私のことが嫌いか?」


厳しい生徒会長。
だけど、僕は僕はどうしようもなく彼女が好きなのだ。
本を読むその横顔が、新着図書を嬉しそうにチェックするその顔が、後輩の女の子に微笑むその姿が。
無表情だとささやかれる彼女が、ほんの僅かに表情を変えるのを僕は知っている。
ちいさくちいさく微笑む彼女は、本当に綺麗で。僕はそれだけで幸せになるのだ。

だから、僕は図書委員であることを止められない。
図書室には会長がいる。図書委員であれば彼女と対話をすることだってできる。
だけど、彼女は僕のことを図書委員としか思っていない。
どれだけ恋いこがれても、彼女と話せたとしても。彼女の視線の中には僕はいない。


<#`∀´>「おい、ウリたちはどうするニダ?」

(;‘_L’)「そんなこと言われても、私たちにはどうしようもありませんよ。
     ショボン参謀に任せるしか……」

('(゚∀゚;∩「ピンチ! ピンチだよ!」


ドクオに校内を占拠しようと持ちかけられたとき、僕は会長のことをあきらめようと決意したんだ。
こんな騒ぎを起せば会長は間違いなく僕を軽蔑する。
もう会長のことを思って苦しい思いをしなくていい。
それに、会長が誰かにチョコレートを渡すことだって阻止することができる。

なんて後ろ向きな発想なんだろう。


(#´・ω・`)「……僕は……」


だけど、だけど愚かな僕の心は思ってしまうんだ。
――騒ぎを起せば会長は僕のことを、図書委員じゃなくて「眉下ショボン」として意識してくれるのではないかと。
本や図書カードじゃなくて僕の顔を見てくれるんじゃないかと、そう思ってしまうのだ。


川 ゚ -゚)「……ショボン」


だけど、実際にその顔をみてもらったのは、そうやって意識してもらったのは僕ではなくてドクオで。
チョコレートを貰ったのは僕ではなくドクオで。
僕はそれが憎くて憎くてたまらなくなる。


     ('A`)「おいおい嫉妬は見苦しいぜショボンくんよ。
        お前だって会長のチョコ……欲しいんだろ?」


ドクオにそう言われたとき言葉を返せなかった。
ドクオの言うとおり、会長からチョコレートを渡されるドクオに僕は嫉妬していたんだから。
僕には会長の前でみっともなく土下座する覚悟も、みっともなく自分をさらけ出す覚悟だってないのに。
何て卑怯な僕。何て意気地がない僕。

ドクオの作戦がなきゃ会長への思いを断ち切ることもできないくせに。


     ('A`)「ショボン……お前に言っておくことがある……」


僕をみたドクオの視線を思い出す。
土下座をして、靴を舐めろと言われたのにその瞳はまっすぐだった。
ネガティブな発言だらけで、おせじにもかっこいいとは言えず、頭も体力もない。
それなのに、ずっとずっと僕らのリーダーだったドクオ。


     b('∀`)「男にはそれでもやらなければならないことがあるんだ」

     (#'A`)「それでも俺はっ、チョコが欲しいんだ!!!
         お前もそうだろ?たまには素直になってみせろよ!」


素直になれるだろうか、僕は。
ずっといじいじと悩んでいた僕だけど、勇気を出せるだろうか?
僕は君のようになれるだろうか?
言い意味でも、悪い意味でも、気持ち悪い意味でもまっすぐなドクオに。

全校に実名を出して放送を行った、流石弟者をおとしめる放送をさせた、ジョルジュ長岡を全裸にした。
シャキンを大変な目にあわせてしまったし、こうやって校門の封鎖だってしている。
なんだ、僕にもう怖いものなんて無いじゃないか。


(#´・ω・`)「会長のことがずっと好きでした!」


ドクオが破れた今、全てが終わりだと言うならば、僕だって破れかぶれだ。


川 ゚ -゚)「……本気か?」


会長がその目をぱちりと開いてそう口にした。
その長い黒髪が、風になびいて僕は一瞬めまいを起しそうになる。


(#´・ω・`)「僕はあなたへの思いを断ち切るつもりで、ドクオに協力しました。
       なのに、今になってどうして僕の前に姿を現わすんですか?!
       僕はあなたが、誰かにチョコレートを渡すところなんか見たくなかったのに」

(;‘_L’)「……参謀?」

<#`∀´>「おい、どうなってるニダ?」

(’e’;)「わ、わかんないんです><」


(´;ω;`)「僕だってあなたが好きなんです、会長のチョコが、会長の思いが欲しかったんです!
      それが、無理だと言うのなら僕はいくらでも反抗します」


どうしてだろう涙が止まらない。
結局の所、僕だってドクオと同じなんだ。
会長からのチョコが欲しくて、それがもらえないものだからすねていた。


(#´;ω;`)「僕は決して降伏なんかっ」


川 ゚ -゚)「何故好きになった?」

(;´・ω・`)「え?」


会長がぽつりと言った。
その言葉が、表情が揺れているように見えるのは涙のせいだろうか。
「お前なんかが」という会長の言葉にならない怒りが込められているからだろうか。


川 ゚ -゚)「私は見ての通りの無表情女だ。素直になってなれない。
     クールなんてとんでもない。結局の所傷つきたくないだけの臆病者なんだ。
     そんな私のどこがいいんだ?どうせこれも作戦だろう?」


気のせいじゃない。会長の声は頼りなく震えていた。
無表情にも見える表情は頼りなく震えて、自己擁護の言葉を紡ぎ出している。

ふと、思う。
そうか。僕と君はこんなにも似たもの同士だったんだ。
僕の温厚な態度は傷つきたくないから。会長の冷静な態度は傷つきたくないから。
僕と会長はこんなにも違うのに、根っこはよく似てるんだ。


川;゚ -゚)「……だけど、」


会長が鞄を開いて、その中から何かを取りだした。
それは、深い赤色の包装紙とリボンで飾りがつけられた箱。


川  - )「だけど、私は君が好きなんだ」


会長の整った表情は、泣きそうにも見えた。
そして、そのまま赤い箱を僕に差し出した。
僕はうぬぼれてもいいのかな。僕はその箱を受け取ってもいいのだろうか?


川 ゚ -゚)「私はショボンのことが好きだ。
     ショボンが今回の騒動で厳しい処分を受けるのが嫌だった。
     君が停学や退学になるのが嫌で、私はショボンを止めようとしてたんだ」


会長は、僕に告げる。
無表情とも言われる表情の中に真剣な色をにじませて。
僕にはじめてみせる表情で、声色で告げる。


川 ゚ -゚)「全部私のエゴだ。図書委員の仕事を強制したのも私が君に会いたいから。
     君たちを止めた理由も、君に会えなくなるのが嫌だったからだ。
     それに、このチョコレートだって渡したかった。私は勝手な女なんだよ」


これは夢なんだろうか。図書室で本に埋れた僕が見る都合の良い妄想。
あるいは仕事の合間に読んだ、恋愛小説の一場面。
だけど、目を開いてもそこには会長がいて、会長の手にした箱は消えずにあって。

ああ、これは夢じゃないんだなぁと思った。


(´・ω・`)「図書館に通う貴女と話すうちにひかれていきました。
      あなたが勝手だと言うのならば、僕だって勝手です。
      こんな状況になるまで、あなたのとこを好きだって言う勇気がなかった」

川;゚ -゚)「私だってそうだ。ヒートや猫谷や麗子がいなければ、素直になることだって怖かった。
     私は……きっと今回のことがなければこのチョコだって……」


僕は会長の手にある箱をそっと受け取る。
綺麗な包装紙で包まれた、チョコレートの箱を。
ああ、これで僕も裏切り者の一人なんだなぁと思うと同時に、嬉しさがこみあげてくる。


(´・ω・`)「……会長、僕はあなたのことが好きです。
      こんな僕ですがおつきあいしてくれますか?」

川 ゚ ー゚)「こんな私でよければ、よろこんで」


そして、会長は僕にびっくりするくらいに近づいて、――僕の口にそっと口づけをした。


(*´・ω・`)「……か、会長」

川*゚ -゚)「――私を放さないでいてほしい」


その表情は、僕がこれまで見た中で一番綺麗で愛おしくて、
僕はそっとその顔にキスを返した。



【 ('A`) 】 校門


俺にチョコと奴隷になる快楽をくれた生徒会長は、俺の目の前でショボンにチョコをプレゼントした。
おまけに、あの美人のちゅーがついた!俺だって三次元じゃしたことないのにっ!!!
チョコも推定80円の板チョコじゃなくて、テレビでやってるようなオサレな店のやつっぽい高級チョコ。
どうみても本命ですありがとうございました。


('A`)「……何で俺、義理チョコ一枚のために必死になってたんだろう」


その時、俺の制服のポケットが震動をはじめる。
あわてて制服から携帯を取り出すと、そこには内藤と表示されている。


('A`;)】「どうした?何か困ったことでもあったか?」

(*^ω^)】『思い出の女の子が委員長のツンで結婚することになりましたお!
       つきましては作戦に協力することができなくなりましたお』


慌てて通話ボタンを押し話しかけると、内藤がむかつくほど弾んだ声でそう言った。
意味がわからない。オイ待て、後半はともかく、前半は何なんだ!!
あの縞パンで凶暴だけど、泣き顔が意外とかわいい委員長がどうしたって言うんだ。


(;'A`)】「は?おいちょっと待て!何言ってるかわからんぞ?!」


(*^ω^)】『僕とツンはラブラブハッピーだから、協力できなくなったお!』

(;'A`)】「待て!思い出の女の子って脳内とかレアモンスターじゃないのか?!
     帰ってこい!おい、内藤っ!!!!」


ラブラブハッピー?付き合うって事か?
ムードメーカーで力自慢ではあるけど、ピザで食べ物のことしか考えてない内藤が?
委員長が思い出の女の子で結婚っ?それ何てエロゲ?


(;'A`)】「おい、内藤っ!!ラブラブハッピーってマジか?!」


ブツンという音と共に通話がとぎれる。野郎電源切りやがった。


('A`)「……」


ショボンは黒髪巨乳黒ストッキングな美人生徒会長とよろしくやっている。
内藤はドリル髪の凶暴な委員長とラブラブハッピー。
俺に残されたのは同情と哀れみと優越感の目で俺を見る、同士達の姿。


( ;A;)「畜生ぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」


この世に神なんていない。


(;‘_L’)「どどどどどどーなってるんですか」

ミセ;゚ー゚)リ「聞きたいのはこっちー!どうなってるのー?
      ねーねー、なんで会長とあのノッポがくっついちゃったの?ねぇー」

(゚、゚トソン「愛とはかくあるものなのですね」

【+  】; ゞ゚)「ああ、ドクオ隊長が泣いておられる。
         奴隷になったその数分後にみごと玉砕とはおかわいそうに」


……なんか、全てがもうどうでもいいや。
そうだ、もう死のう。美人会長のチョコだけを心の支えに死のう。


( ;゚¥゚)「ちょと、ちょっと……なんだかカオスなんですが……」

('、`;川「おい、鬱田――っ!性別受ぇ――説明せんかいゴルァ!
     こっちとら、仕事すませてきたんだから」

( ;A;)「死にたい」


いつのまに来たのかわからないけど、部長&偽川。
俺、もう死ぬから。今度こそ本気で死ぬからぁっ!!!
幼なじみの腐れ縁にさえ裏切られた俺に慈悲をぉぉぉぉおおおおお!!!


('、`#川「誰か説明っ!答えないと801同人のネタにしてトラウマプレゼントすっぞ!」

<;`∀´>「だれか三行!三行するニダ!」

\(^o^)/「ドクオ オワタ」

(゚¥゚; )「見ればわかりますって!」


     キキーーーーッ


(#’e’)「今度は何だ!」

('(゚∀゚;∩「くるまだよ! いっぱいくるまがくるよっ!」

(;´ー`)「誰か、責任者呼ぶんだーよ!こっちのリーダー再起不能なんだーよ」


(゚、゚トソン「あれは、我が社の有するトラックではありませんか」

ミセ*゚ー゚)リ「あ、父ちゃんだー」

ζ(゚ー゚*ζ「モカーくん、テナーくん、デルタくんに、フォックスのおじさまの車☆」


( ;゚¥゚)(;‘_L’)「なんかとんでもないことになってるーーーっ!!!」


( ∵)( ∴)( ∵)「ゴェエエエエエエ!!!」

( ゚∋゚)「……チョコだ」

(゚、゚トソン「よくやりました、セバスチャンたち。
     荷をほどきチョコレート配布の準備に取りかかりましょう」


(;TДT)「デレちゃーーーん!!!ウチの店中のチョ、チョコーー!!!」

(*´曲`)「よう、デレちゃん。ありったけのチョコもってきたぜ!」

(*"ゞ)「逆チョコです、デレさんっ!!!」

爪'ー`)y‐「やあ、久しぶりだね。
      今日は君のために甘いチョコレートタイムとしゃれ込もうじゃないか。
      君の望みのものなら何でもあげよう」

ζ(゚ー゚*ζ「いやぁん、デレったら超うれしい♪
       みんな大好きだよっ☆」


(;-_-)「みーちゃん……っ、……専業作家に……肉体労働は……
     一体……チョコなんか……何につかうのさ……」

ミセ*゚ー゚)リ「父ちゃん大好きー!」

(*-_-)「……僕もみーちゃんが好きだよ……
     ウチに来たけど……食べきれない分も……持ってきたから……」



( ;A;)「うぉぉぉぉおおおお!!!」


気づけば校庭には知らない奴らと、大量のチョコが集まっていた。
お前ら本当に誰だよ。
せっかくのバリケードも鳥みたいなマスクの巨漢と、不気味な覆面雄叫び集団にどかされてるし。


ζ(゚ー゚*ζ「学校のみんなー☆元気かなぁ?
       学園のアイドルのデレと、庶民(笑)なスイーツ(笑)ミセリと、都村のお嬢から、
       学校のみんなにチョコのプレゼントだよっ☆」

ミセ*゚ー゚)リ「いっぱいあるから、みんな校庭まで受け取りにきてねー」

(゚、゚トソン「もちろん女性の分もあります。
     私たちから全校生徒の皆さんに義理でも愛あるチョコレートを」


メガフォンでもって校内に呼びかけるデレたんは神々しいまでにアイドルだった。
それから、どっからか持ち出したマイクでミセリたんと都村りんが続く。
三人の声に校舎の窓から様子を窺っていた奴らも顔を出す。
さっそく、校舎から飛び出す奴らも多くいた。


ζ(゚ー゚*ζ「みんなー、集まれぇっ☆
       デレたちからのチョコレートと愛を受け取ってーっ!!!」


     ('(゚∀゚*∩【+  】* ゞ゚)(*‘_L’),(・)(・),<_*プー゚)フ(*´・_ゝ・`)\(^o^)/

     「うぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

     (*´ー`)(*`ハ´)<*`∀´>(*’e’)(*・∀ ・)(*^Д^)| ^o^ ||  ^o^ |


デレたんの声に学校中の男が一丸となって叫んだ。
わいわいと賑やかに喋りながら校舎から出てくるおにゃのこたちの姿も見える。


イ从゚ ー゚ノi、「チョコだって」

o川*゚ー゚)o「糞デレは気にくわないけど、無料配布はいいなぁ」

爪゚A゚)「何や気になるなぁ。行ってみーひん?」


チョコレートのために学校中が一丸となっている。
誰もがその黄金にも勝る物体を求め、それに踊らされている。
そこにあるのは、恋とかメディアの戦略じゃなくてもっと輝かしいものだ。


     ( ;∀;)『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!
           二人とも幸せになって結婚して子供作って孫の成長見守りながら死ねぇ!!!!』


イケメンの悲痛な声だけが、むなしく校庭に響き渡っていた。


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