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(   )はξ゚⊿゚)ξツンを愛するようです

町中は一面のイルミネーションでキラキラと輝いていた。
耳を澄ませば、クリスマスソングもどこからか響いてきて、その季節の早さにびっくりしてしまう。


ξ゚⊿゚)ξ「まだ、11月よね?」

( ^ω^)「ハロウィンが終わったから年末商法に切り替えたんだお」

ξ゚⊿゚)ξ「まだ、11月も前半だっていうのに随分気が早いのね」

( ^ω^)「こっちはそんなもんだお。
      季節感なんて飛んでけブーンですお」

ξ゚⊿゚)ξ「何、それ?」

(;^ω^)「渾身のギャグでしたが、たった今スベリましたお」

ξ*゚⊿゚)ξ「修行が足りんぞ内藤!」


VIP大学経済学部1年の私こと津出麗子は、同じ大学でサークルも一緒の内藤ホライゾンと共に歩いていた。
なぜ、私がこのぽっちゃりピザ体系の福男顔の内藤と歩いているのかというと話は簡単。
今日はサークルの「学祭おつかれさま飲み会」がニュー速駅近くの飲み屋でひらかれ、私と内藤その帰り道なのだ。
いや、別に一緒で嬉しいとかそんな事はないのよ本当。
ξ゚⊿゚)ξ「何で、ニュー速駅なのかしら?
      大学の近くの方が値段も安いし、家も近いのに」

(;^ω^)「家が近いのは僕らだけだお。ニュー速駅の方が交通の便がいいからみんなはそっちを使いたいんだお」

ξ゚⊿゚)ξ「でも、飲み会一回4000円は高いと思わない?」

( ^ω^)「それは、僕もそう思うお」

ξ゚⊿゚)ξ「先輩たちは仕送り組の貴重な金を何だと思ってるのよ!」

(;^ω^)「ツン、ひょっとして酔ってるお?」


ツンは私の家族と限られた友人だけが使う、私のニックネームだ。
よほど親しくない限り、私はこのニックネームは教えないと決めている。
だって、ツンよ。ツンツンしてるみたいで恥ずかしいじゃない。
まあ、私は素直じゃない私にはぴったりだって、妹の麗花(こっちは名前の真ん中をとってデレとよぶ)はよく言うけど。


ξ゚⊿゚)ξ「こらー!内藤ぉ、ツンとはなれなれしいぞぉ!」

( ^ω^)「別になれなれしくはないと思うお。
      だって、僕らは――付き合ってるんだし」

ξ*゚⊿゚)ξ「な、な、なな、な」


そのニックネームを何故内藤が知ってるかというと、まあ、そういうことよ。
恥ずかしくはないのよ、恥ずかしくは。
だけど、急に口に出されると動揺するのは、仕方のないことじゃない?ねえ。


(*^ω^)「今は先輩達もいないし、『方向が同じだから一緒に帰る』なんてフリしなくても大丈夫だお」

ξ;゚⊿゚)ξ「あああ、あう、あう」


何で口に出しちゃうのよ、せっかく『同じサークルの内藤ホライゾンと仕方なく帰ってます』ってフリしてたのに。
ああ、恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!
私一人動揺しちゃってバカみたいじゃない。


(*^ω^)「いつもみたいにブーンって呼んでほしいお」

ξ;゚⊿゚)ξ「本当に、知り合い誰もいない?いない?」

(*^ω^)「いないお」


内藤はニコニコと満面の笑顔を浮かべている。
私が恥ずかしがり屋で、二人っきりじゃないと甘えたり、ブーンって呼べないのを見通してる笑顔だ。
ちなみにブーンというのは、私の『ツン』に対抗して内藤が考えた二人だけの間で通じる内藤のニックネームだ。


ξ*゚⊿゚)ξ「ぶ、ブーン?」

(*^ω^)「はいですお」

ξ///)ξ「手、つないでいい?」


内藤――ブーンは満面の笑みを浮かべて、私の手を握った。



マンションの私の部屋で、お茶を飲んで暖まる。
家の中だと私は少しは素直になれて、ブーンのほっぺにキスすることができた。
心臓がとびだしそうなほどドキドキしていたのは私だけの秘密。


(;^ω^)「(やべぇ、口でのチューもまだなのに、おっきするところだったお)
      お、女の子の部屋にあんまり遅くまでいるのは世間様的にもまずいんで、僕はそろそろ帰りますお」

ξ*゚⊿゚)ξ「あ、そか。ごめんね気をつかわしちゃって」


もう少しゆっくりしていっても問題はないのに、ブーンは帰り支度をはじめた。
ブーンが帰るのは寂しい。
でも、ブーンが私のご近所での評判まで気をつかってくれるのは、嬉しい。


ξ*゚ー゚)ξ「じゃあね、ブーン」

(*^ω^)「また明日だお、ツン」


ブーンが帰ると私は一人になった。
実家から出て、一人暮らししながら学校に通ってるから当たり前といえば当たり前。
だけど、一人は寂しい。


ξ゚⊿゚)ξ「――ブーン」

早く明日になって、ブーンに会えますように。





男が一人、マンションを見上げていた。
この建物の中の一室が彼女の家。今このときこの建物の部屋に彼女がいるのだと思うと、男の胸は高鳴った。


('A`)「……彼氏いるのかな」


彼女。
バイト先で好きになった、気の強そうな表情の常連の女の子。
くるくると巻かれた縦ロールの表情をいつも、きりりと引き締めた女の子。
笑うとかわいいんだろうな――それの思いが、男の恋のはじまりだった。


('A`)「いないといいな。でも、かわいいから無理だろうな」


好きな女の子の後をこっそりつけて家を確かめるような男は嫌いだろうか。
でも、もし自分が嫌われていないとしたら。もし彼女が自分の事を好きだと思っていたら。
部屋を見上げ、男は幾度も同じ考えを幾度も繰り返す。


('A`)「俺は貴方が好きです」


つぎに会えたら、告白しよう。
男は暗闇の中一人、決意した。





( ^ω^)「ルーフガーデン?」

ξ゚⊿゚)ξ「そう、こっちにはないの?」


大学の食堂で食事をとりながら、私はブーンに聞いた。
べ、別につきあってるから二人っきりでご飯ってわけじゃないのよ。
毎週水曜日は私の友達もブーンの友達も授業をとってないから、結果として二人になってるだけなんだからね!


( ^ω^)「ルーフガーデンって?」

ξ゚⊿゚)ξ「えっと、クーがね。
      クーっていうのは私の地元からの友達なんだけど、すごく好きなの。
      だから、知ってるなら教えてあげようかなぁって」

( ^ω^)「クーさんって、ツンがよく話す女の子?」

ξ゚⊿゚)ξ「そう、クー。ちゃんねる大学に通ってて、すっごく頭がいいの。おまけにすっごく美人なの!」


私と、素直空ことクーは小学校のころからの親友だ。
それこそ私の『ツン』というあだ名を知っている数少ない友人のうちの一人でもある。
私のVIP大進学が認められたのも、クーが同じ大都市ニュー速に進学が決定したからでもある。
しっかりもののクーと同じマンションなら安心ということで、私の一人暮らしはめでたく許可されたという経緯もある。

大学が決定したとき、私とクーは抱き合って喜んだ。
最近はブーンと遊ぶことが多くて、クーと遊ぶ機会が減っちゃったけど元気かな?



( ^ω^)「それは、一度お会いしたいものだお」

ξ♯゚⊿゚)ξ

(;^ω^)「(どう反応すればいいんだお)
      でも、一番大好きなのはツンだお」

ξ*゚⊿゚)ξ「あ、あんたにそんなこと言われても嬉しくなんかな、ないんだから」

(*^ω^)「(ふたりっきりじゃない時のツンは本当に素直じゃないお)
      で、ルーフガーデンっていうのはどういうものなんだお?」

ξ゚⊿゚)ξ「ええと、家の近くの場合は大きい会社なんだけどね、その屋上が植物園みたいになってるの。
      誰でも自由に入ってよくてね、それがルーフガーデン」

(;^ω^)「えーと、屋上庭園みたいなものかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「そう、それ!そういう呼び方もあるけど、クーはルーフガーデンって呼ぶの」

( ^ω^)「だったらいいところがあるお!
      ニュー速芸術文化ビルディングの屋上、庭園になってるんだけどマイナーであんまり人がいないんだお」

ξ*゚⊿゚)ξ「本当?」

( ^ω^)「クーさんに教える前に、二人っきりで下見なんてどうかお?」


それって、デート?
私がそう聞くとブーンは笑顔で「そうだお」と答えた。
私は仕方ないなぁと言ったけど、本当は嬉しくて仕方がなかった。




('A`*)「ず、ずっと、すすす好きでした」

('∀`*)「おっ、俺じゃなくて、ぼぼ僕とけけっけけけ、結婚して下さい!!!」

ξ;゚⊿゚)ξ「誰?」


見ず知らずの男に告白されたのは、ブーンとのデートを指折り数えていたある日のことだった。
よく行くスーパーでのことだったけど、男に見覚えはなかった。


('∀`*)「お、俺じゃなくて僕、鬱田独男と言います!
     気楽にドクオとおよび下さい!」

ξ゚⊿゚)ξ「初対面なんですが」

('A`)

ξ;゚⊿゚)ξ

('∀`*)「僕はここのスーパーでバイトしてるんです。貴方のことは何度も目にしていました」

ξ゚⊿゚)ξ 「無理です」


(;A;)「うゎあああああああああああああああ!!!」


その男は全力で走り去っていった。バイト仲間らしい人が追いかけていったけど、その後のことは知らない。
私はブーンがいるし、初対面なのに結婚を申し込む方が悪いわよね?



ξ;゚⊿゚)ξ「(何だったんだろ、あの人)」

川 ゚ -゚) 「ツンじゃないか。君も買い物かい?」

ξ゚⊿゚)ξ「クー!久しぶり!」


男が立ち去った店内で呆然と立ちつくしていると、クーに声をかけられた。
同じマンションに住んでいながら、クーにこうして会うのは本当に久しぶりなような気がする。
久しぶりに会うクーはまっすぐな黒髪もあいまって、同じ年とは思えないくらい大人っぽかった。


川 ゚ -゚)「これまで、学祭やレポートが重なってな。連絡が取れなくてすまない。
     ツン、寂しくなかったか」

ξ゚⊿゚)ξ「私の方も連絡とれなくてごめんね」

川 ゚ -゚)「学祭の日程がかぶらなければ、もう少しは会えたのだが残念だな」

ξ゚⊿゚)ξ「まあ、こればっかりは仕方ないわよね」


私とクーは二人で食料を選び、会計を済ませた。
レジにあの男がいるんじゃないかと一瞬ビクビクしたが、あの男の姿は見えなかった。
よかったと、ほっと一息。


川 ゚ -゚)「せっかくだから、ケーキでも食べに行かないか?」

ξ^ー^)ξ「行く行くー」



クーオススメの喫茶店で、私は紅茶と苺のたっぷりと乗ったタルトを、クーはコーヒーとチョコレートケーキを頼んだ。
私とクーはケーキを半分こにし、話に花を咲かせる。


川 ゚ -゚)「そういえば、スーパーで何かあったのか?レジの辺りでも挙動不審だったが」

ξ゚⊿゚)ξ「クーってなんだか探偵みたい」

川 ゚ -゚)「性分なんだ。それで、何があったんだねツンくん」

ξ゚⊿゚)ξ「初対面の何か変な男に告白された」

川;゚ -゚)「何っ?!」

ξ゚⊿゚)ξ「ふったら全力で逃げたから安心していいわ」

川;゚ -゚)「安心していいって、ツンそれは…」


しかし、それ以上スーパーでの出来事について話すことも知っていることもないので、この話はここでおしまいになった。
スーパーのことよりも、私たちには話すことがあったし、話しておきたいこともいっぱいあったのだ。


ξ゚⊿゚)ξ「それにしても、おいしー。クーは喫茶店選び本当に上手よね」


クーは地元にいるころから、センスのいい喫茶店とか小物屋さんを選ぶのが上手かった。
私の行きつけの店は地元でもこっちでも、クーの選んだものばかりだ。
それに対して、ブーンのほうは喫茶店でもお店でもセンスが悪く、そのあたりではクーを見習って欲しいな、なんて思う。


川 ゚ ー゚)「それでな、うちの大学では学祭で大規模なお化け屋敷をやったわけなんだが」

ξ*゚⊿゚)ξ「VIP大では女装コンテストがあって、内藤ったらね」

川 ゚ ー゚)「先週は一週間の間に3つのレポートの締め切りがあったんだ」

ξ*゚⊿゚)ξ「レポート言えば、さっき話した内藤ったら、締め切り延長してくれって提出日に叫んだのよ」

川 ゚ -゚)「君はさっきから、内藤とやらのことばかりだな」

ξ゚⊿゚)ξ「そう?」


どうやら気づかないうちにブーンのことばかり話していたみたい。
うーん。私って学校の友達と話すときとかもそうなのかな?
学校の友達にブーンとのこと、つっこまれたことなんてなかったんだけどなぁ。


川 ゚ ー゚)「そうだ、せっかくこうしてツンと会ったんだし
     土曜日は二人で遊びにいかないか?土曜日ならバイトもないんだろ?」

ξ゚⊿゚)ξ「え、土曜?」

川 ゚ ー゚)「こっちに来た頃には毎週のように、ニュー速ショッピングモールへ行っていたじゃないか。
     ひさびさに、どうだい?」

ξ゚⊿゚)ξ「土曜日は…」


ブーンとのデートの日だ。
ブーンと一緒に、ルーフガーデンの下見にいく大切な日。


ξ゚-゚)ξ「土曜日は…ごめん先約があるの」

川 ゚ -゚)「先約?大学の友達とか」

ξ;゚⊿゚)ξ「え、えーと…と、友達?」


ブーンは友達なんかじゃなくて、私の大切な人だ。
そう、こ、こ、恋人っ…。
ああ、でも恋人なんて紹介するのはとても恥ずかしい。
恥ずかしさで死んでしまえるんじゃないか、ってくらい恥ずかしい。


ξ;゚⊿゚)ξ「と、と、と…ともっだち」

川 ゚ -゚)「ふむ、友人ではないが、親しい仲か。
     恋人ではないか、何せ男嫌いで有名なツンさんだ」

ξ;゚⊿゚)ξ「男嫌いはクーの方じゃない。
       これまで、何人の男をふったと思ってるのよ」

川 ゚ -゚)「ふったとは失礼な、本命ではないから断っただけだ」

ξ゚⊿゚)ξ「あれ?好きな人いたの?」

川;゚ -゚)「一応、何度か君に話したはずなんだが」


クーはそういうけど、クーの好きな人の話って聞いたかしら?
クーは浮いた話なんてめったにないから、聞いたら覚えていそうなものなんだけどなぁ。
ごまかしてるのかもしれない。聞いてみようかな?


川 ゚ -゚)「それで、君の方は?」

ξ;゚⊿゚)ξ「え?え?」


クーが有無を言わさぬ態度でずばりと聞いてくる。
こうなるとクーはてこでもうごかないことを私は知っている。


川 ゚ -゚)「新ジャンル高校四天王にも心を動かさなかった君が、どんな男に心ひかれたのか私は知りたい」

ξ;゚⊿゚)ξ「し、四天王?」

川 ゚ -゚)「我らの母校新ジャンル高校が誇っていた4人のイケメンたちだ。全て、君に惚れていた」

ξ;゚⊿゚)ξ「そうだったの?!何で、当時教えてくれなかったのよ」

川 ゚ -゚)「……ノリで。それはいいとして、どんな男なんだ」


クーがずけずけと遠慮のない言葉で聞いてくる。
ここ一番でこうして言葉がでるクーとは逆に、私はここ一番となるとうろたえてしまうタチだ。
どうしても、ブーンの名前が出てこない。



ξ;゚⊿゚)ξ「…う」


                 ( ^ω^)


ξ////)ξ


クーは小学校の頃からの幼なじみだ。
クーに教えるのは自然なことだし、私もブーンのことを紹介したい。
だけど、どうしてだろう。ブーンのことを考えると顔が赤くなって息が苦しくなってドキドキする。
大好きなのに言えない。ブーンが大好きだから、素直になれない。


川 ゚ -゚)「重傷だな」

ξ////)ξ「ううっ」

川 ゚ -゚)「君が好きな男については、後日聞かせてもらおうじゃないか。
     私はしつこいんだ。覚悟した方がいいぞ」

ξ////)ξ「…はい。心の準備ができたら絶対話します」


心の準備なんて出来るはずもなくその日、クーにブーンのことは話せなかった。





( ^ω^)「どうだったお、空中庭園」

ξ゚⊿゚)ξ「センスの悪いあんたにしては、まあまあね」

(;^ω^)「ツンは辛口だお」


待望の土曜日。
私とブーンはデートらしくわざわざニュー速駅で待ち合わせると、ニュー速芸術文化ビルディングへと向った。
芸術文化ビルには庭園だけじゃなく、美術館が併設されている。
私とブーンはゆっくり美術館を見て回り、それから庭園へと向っていた。
美術館のほうは人が多かったもの空中庭園となるとぐっと人は減り、二人っきりでゆっくり見て回ることが出来た。


ξ*^ー^)ξ「でも、ブーンにしてはいいんじゃない?」

( ^ω^)「おっおっ。ツン笑ってるお」

ξ*゚⊿゚)ξ「笑っちゃ悪い?」


少し寂しいかなっと思ったけど、庭園自体はなかなか素敵だった。
それこそクーのセンスにはおよばなかったけど、私にとっては花丸をあげたいくらい素敵だった。
だから、褒めたつもりだったのに、ブーンは私の顔をみて笑っていた。


( ^ω^)「そんなことないお。むしろ嬉しいんだお」

ξ゚丶゚)ξ「嬉しい?私が笑顔だと?」

(*^ω^)「うん。僕はツンの笑顔が、世界で一番大好きなんだお」


ブーンがなんの恥ずかしげもなく言い切った。
その言葉に私の心臓はドキドキし、ほっぺたは赤くなって何も言えなくなってしまう。
うれしい、うれしいけど。恥ずかしくて何も考えられない。
早く、お礼を言わなきゃ。私もブーンのその笑顔が大好きって言いたい。


ξ*゚-゚)ξ「……ばか」


なのに、私の口から出たのはたったの一言だった。どうして私はこんなにかわいくない子なんだろう。
言葉が出ないから、かわりに私はブーンの手を握る。
ブーンの手は赤くなった私の手より温かかった。


( ^ω^)「ツン好きだお」

ξ*゚⊿゚)ξ「――私も」

( ^ω^)「好きって言ってほしいお」

ξ*゚⊿゚)ξ「恥ずかしくて、無理」


言葉で好きって伝えられないから、私はブーンにキスをした。




( ^Д^) 「お届け物でーす、判子かサインおねがいしまーす!」

ξ゚⊿゚)ξ「あ、はい」


部屋のドアを開けると、宅配便のお兄さんが人の良さそうな笑顔を浮かべて段ボール箱を持っていた。
私が受取証にサインをすると、お兄さんは笑顔で段ボール箱を渡してくれる。


ξ゚⊿゚)ξ「仕送りかな?」


何だろうと思いながら箱を開けると、そこにはかわいらしい猫のぬいぐるみが入っていた。
真っ黒い体に金色の目、かわいらしい口元のその猫は私の好みにぴったりだった。


ξ*゚⊿゚)ξ「今日から、君は杉浦ロマネスクだ」


私はその猫にロマネスクと名付けると、送り主からの手紙を探す。
誕生日でもないのに、なぜ送ってきたのかはわからないけどきっと理由があるんだろう。


ξ゚⊿゚)ξ「…あれ?ない」


入れ忘れたのかな?そう考えて段ボール箱に張り付いた伝票を見てみる。
送り主は店らしきものの名前になっている。
内藤からのプレゼントなのかしら?
私はロマネスクを腕に抱いて首をひねった。




ξ;゚⊿゚)ξ「ああ、まずったなぁ」


寝ぼけてしまったためかとんでもないことをしてしまった。
私は課題のプリントを、事もあろうに燃えるゴミとしてだしてしまったようだった。
学校で貰うプリントや書類はたまる前に捨てるようにしている。
いつもはちゃんと確認してから捨てるのだが、昨日はバイトで疲れていたため適当にゴミ袋につっこんでしまったのだ。


ξ;-⊿-)ξ「ゴミをあさるなんて嫌だなー。
       でも、プリントばっかりだし、まだどうにかなるかな?」


まだゴミが回収されてませんようにと祈りながら、ゴミ捨て場へと急ぐ。
他の人が上にゴミ袋を重ねてしまっていたら、ゴミ袋の山をかきわけなければならなくなる。
それだけは、どうにかしたかった。


ξ゚⊿゚)ξ「ラッキー。そんなにゴミ増えてない」


私はゴミ置き場から目的のゴミ袋をみつけるべく行動を開始した。
目指すゴミ袋はプリントだけが詰められているから、一目でそれかどうかわかる。
ここの自治体のゴミ袋が透明でよかったなぁと思いながら、一つ一つチェックをしていく。


ξ;゚⊿゚)ξ「無い?」

もう一度ゴミ袋をチェックする。ゴミ袋の数自体は少ないためチェックはすぐ終わるから、何度もチェックし直す。


――私が捨てたゴミ袋は、消えていた。




( ^ω^)「ツン、大丈夫かお?」

ξ;゚⊿゚)ξ「え、ええ」


管理人さんに確認してみたが、あの後ゴミ袋は見つからなかった。
ロマネスクに関しても、家族に連絡をとったけれど知らないという答えだった。


ζ(゚ー゚*ζ「そんなことよりも、お姉ちゃん年末は帰ってくるんだよね?」


かわりに、妹のデレの彼氏について相談に乗ってよという愚痴だかノロケだかを聞かされて、私は電話を切った。
やっぱり、ロマネスクはブーンのプレゼントだったのだろうか。
それとも店側の配達間違え?
頼んでもないものを送りつけてくるタイプの詐欺だったらどうしよう。


ξ゚⊿゚)ξ 「ブーンに聞きたいことがあるんだけど」

( ^ω^)「おっおっ、何だお何だお?」


――ふと、気づく。
ブーンに聞いて、もし知らないって答えだったらどうしよう。
ブーンのプレゼントだったらそれでいい。私は幸せになれる。
でも、もし違ったら。私はどうすればいい?


ξ゚⊿゚)ξ「何でもないわ、忘れて」


聞けるはず、なかった。




ロマネスクの差出人からの連絡はなかった。
もちろん、ブーンが「僕がプレゼントしたんだお」という事もなかった。
家族ではない、ブーンでもない。クーならば連絡をよこすはずだ。
そして、他の友人に聞いてみたが結果はかんばしいものではなかった。
あんなにかわいかったロマネスクは、少しずつ不気味なものになっていた。


( ^ω^)「一番ブーン!一発芸やりますっ!」

ξ゚⊿゚)ξ「あんたねぇー。空中庭園でやることじゃないでしょ」

( ^ω^)「ツンが笑ってくれるなら何でもいいと思った次第であります!」

ξ*゚⊿゚)ξ「……ブーン」


今の私にとって、家は不安になる場所だった。
それよりも、バイト先や学校へ行っているほうがよほど安心できる。


( ^ω^)「ツン。やっぱりツンは笑ってくれた方がいいお」

ξ*゚ー゚)ξ「うん」


ブーンといる時間は私にとってなによりも心安らぐひととき。
家になるべくいたくない私は、ブーンという時間を増やすようにした。
ブーンといればロマネスクのことを考えなくてもいい。


チャラララ~チャラララ~


その時、携帯電話が鳴った。
私はブーンとのひとときを邪魔されたことに少し腹をたてながらも通話ボタンを押した。


ξ゚⊿゚)ξ「もしもし?」


……無言。


ξ;゚⊿゚)ξ「ちょっと、返事してよ」


…………返事はない。
電話は確かにつながっているのに、相手は何も言葉を発しようとはしない。
発信相手は――非通知。
私は、あわてて通話を切断する。


チャラララ~チャラララ~


携帯が再び鳴る。
発信者は――非通知。
私は、携帯の電源を切った。

電源の切られた携帯は再び鳴り出すことはなかった。




ξ゚⊿)ξ「私が、何をしたって言うの?」


発信者不明の無言電話はそれから幾度も繰り返された。
携帯電話にも、家の電話にも無言電話がかかってくる。
非通知着信を拒否すると、今度は公衆電話から電話がかけられてくるようになった。
電話は全て無言。通じているはずなのに返事はない。


ξ;⊿;)ξ「私、何か悪いことした?」


携帯の方はどうにかすることができたが、電話の方は操作法がどうしてもわからない。
繰り返される電話に怯えた私は電話線を――抜いた。


ピンポーン


ξ;゚⊿゚)ξ「だ、誰っ!?」


最近ではチャイムの音すら怖くなっていた。
家にまで不審者が来たことはないのに、それでもブーン以外の人が怖くなっていた。


( ´ー`)「宅配便だーよ。サインか判子をお願いしますだーよ」


届いた荷物の差出人に覚えはない。


ξ;゚⊿゚)ξ「心当たりがないんです、お願いします」

(;´ー`)「そ、そんなこと言われてもこまるんだーよ」


差出人は前とは異なっていたが、ロマネスクの送り主と同じ人物の仕業だという確信があった。
ロマネスクのほうは今では段ボールに入れ、押し入れの奥に隔離していた。
下手にぬいぐるみという形をとっているからか、ロマネスクは捨てて処分するにはあまりに不気味だった。
また、ロマネスクのようなものが送られてきたら。
私はそれが怖くてたまらない。


(;´ー`)「お、送り主に電話をしてみたらどうだーよ?」

ξ;゚⊿゚)ξ「怖いんです!前にも差出人のわからない荷物が送られてきて、怖いんです」


宅配便のおじさんは、差出人にしぶしぶと電話をかける


( ´ー`)「あ、はい。わかったんだーよ」
      お客さんのお友達だそうだーよ。
      誕生日のプレゼントを内緒で送りたいんだと
      料金はあちらさんが払ってくれたらしいから、受け取るといいんだーよ」


私の誕生日はもうとっくに過ぎているから、そんなのはでたらめだ。
だけど、宅配便のおじさんは半ば無理矢理サインを書かせると荷物を私に押しつけた。
荷物には手紙はなく、かわいらしいワンピースとアクセサリーが入っていた。




ξ;゚⊿゚)ξ「ねえ、ブーン。
       私に内緒でプレゼント送ったりした?」

(;^ω^)「急になんだお?どうしたんだお、ツン」

ξ;゚⊿゚)ξ「心当たりが無いならいいの」


嘘だ。心当たりがあって欲しいに決まっている。
あれが、ブーンのプレゼントならばどんなに幸せだっただろう。
かわいいロマネスク、私のサイズと好みにぴったりなワンピースとおそろいのネックレス――。
どうしてブーンじゃないの?!
送り主は誰なの!


(;^ω^)「ツン、何かおかしいお?!
      最近ずっと様子がおかしいお」

ξ;゚⊿゚)ξ「私、他に聞かなきゃ行けないところがあるから!」


友達の元を回る。それから、サークル仲間と先輩、それほどつながりのない子のところも回った。
だけど、誰も知らないという。誰か他に誰かいないの?!
――そうだ、まだクーがいた。


川 ゚ -゚)「ぬいぐるみとワンピース?何の事だ」


クーは私の電話での問いにそう答えた。
私は、小さく悲鳴をあげると、電話を切った。




チャラララ~チャラララ~


ξ;゚⊿゚)ξ「ひっ」


携帯からは気味の悪い電話がかかってくることがなくなったものの、一度染みついた恐怖は消えない。
私はおそるおそる、携帯の発信主を確かめる。
発信は――実家になっている。


ξ゚⊿゚)ξ「よかった」

ζ(゚ー゚;ζ「何が、よかったなのよ、お姉ちゃん!」


ほっとして電話を取ると、それはデレからだった。
私はデレの声に安心し、それから続くデレの言葉に言葉を失った。


ζ(゚ー゚;ζ「聞いてるお姉ちゃん?
       お姉ちゃんと男の人の写真がいっぱい届いてるんだよ!
       男の人の顔は塗りつぶされててわかんないんだけど、チューしてるのとか手をつないでるのとか
       もう、わけわかんないよ」


わけがわからないのは私の方よ!
実家に写真?何それ、何がおこってるの?


ζ(゚ー゚;ζ「これ、お父さんとかお母さんにバレたら流石に不味いと思うんだよね。
       お姉ちゃん家に連れ戻されちゃうかもしれないよ」


何で、私の実家まで知ってるの?
何よ、何なのよこれ!!!



ピンポーン



ξ ⊿ )ξ「デレ、かけ直すからちょっと待っててくれる?」

ζ(゚ー゚;ζ「う、うん」


のぞき穴を覗いて確認してから、私はドアを開ける。
そこには郵便配達のお姉さんがいて、私に笑顔で分厚い封筒を差し出してくれた。
封筒の宛名は活字印刷で、


その中身は私とブーンの写真だった。


写真の中では私が微笑んでいる。
ブーンに体を預け、この上もなく幸せに見える。
空中庭園でキスをしている写真もあった。
どの私も幸せそうなのにその相手であるブーンの顔は


――真っ黒に塗りつぶされていた。


カッターか何かで無惨に傷つけられた写真もあった。
ブーンの部分だけ丁寧に切り取られている写真もあった。


ξ;⊿;)ξ「嫌、嫌、嫌。
       もう嫌、本当に嫌、嫌よ嫌!!!
       お願い、たすけてっブーンっ!!!!」


いくら目を背けても逃げられない。
いくら目をそらしても写真は消えない。


私は、ストーカーに目をつけられている。
そして、そいつは間違いなくブーンに悪意を持っている。



私はどうすればいい?
マンションは親のお金で借りてるからおいそれと引っ越せない。
それに、クーの側から離れるのは怖い。
実家もだめ、ストーカーは私の実家を知っている。


ξ;⊿;)ξ「怖い、こわいよ
       ブーンどうすればいいの?ねぇ、ブーン」


家にいたくない。
でも、ストーカーが見守っている外はもっと怖い。
怖い怖い怖い怖い怖い
どうすればいいどうすればいいどうすればいいの?


ξ;⊿;)ξ「そうだ、クー」


クーなら同じマンションだ。
それに、クーなら頼りになる。
あんなに頭がいいクーならば何とかしてくれるに決まってる。


ξ;⊿;)ξ「ストーカーは私のマンションを知ってるのに?」


ダメだ。頼れない。
クーは女の子だし、私と同郷だ。
私がマンションから出ないことが知れれば、クーの居場所だってすぐに突き止めてしまう。




おっおっおっおっ


部屋に間の抜けた笑い声が響く。
私がこっそりブーン専用につけた着信音だ。
私が無理を言ってブーンに作ってもらった、世界で一つの着信音。


ξ;⊿;)ξ「ブーン」

(;^ω^)「ツン、泣いてるのかお?」


ブーンの優しい声が聞こえる。
世界で一番暖かい、ブーンの声だ。
ブーンなら助けてくれる。
ううん。助けてくれなくてもいい。


ξ;⊿;)ξ「ブーンにあいたい」



                お願い、ブーン
                私と一緒にいて
                私を離さないで





( ^ω^)「辛かったおね」

ξ;⊿;)ξ「うん」

( ^ω^)「ずっと、悩んでいたんだおね」

ξ;⊿;)ξ「何でわかったの?」

( ^ω^)「それは、僕がツンを大好きだからだお」

ξ;⊿;)「…うん」

( ^ω^)「ツンが悩んでいること、困っていること知っていたのに
       ツンが言ってくれるまでは、って黙っててごめんお」


駆けつけてきてくれたブーンは、泣きじゃくるだけの私の体をぎゅっと抱きしめてくれた。
私は涙と鼻水でぐしゃぐしゃなのに、ブーンは気にしないでいてくれた。
ブーンにぎゅっとされていると、全部忘れることができた。


( -ω-)「ツン、よく聞いてほしいお」

ξ;⊿;)ξ「聞いてるよ」

( ^ω^)「警察に相談しよう。
       そして、僕と一緒に暮らそう?」






ξ゚⊿゚)ξ 「……え」

( ^ω^)「僕は実家住まいで、ツンには居づらいと思うけど一人よりはずっと安心だと思うお」

ξ゚⊿゚)ξ 「いいの?迷惑かけちゃうよ、私」

( ^ω^)「弱ってるツンにつけ込むのは卑怯だと思うから、手は出さないお。
      でも、もしツンが望むなら……」

( -ω-)「僕は」


ああ、


( ^ω^)「君と結婚するくらいの覚悟はあるお、ツン」

ξ*゚⊿゚)ξ「……ブーン」

( ^ω^)「愛してるお。好きよりも、大好きよりも、ずっとずっと。愛している」


なんてことだなんてことだなんてことだ
ツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツン
愛しい彼女が、愛しくて愛しくてたまらない彼女が
こんな男のためにこんな男の為にこんな男のこんな男の
何が愛しテイルだなにが愛していルだ愛シテイルだ愛しているだって
ツンにつけこむなツンにつけこむなツンにつけこむなツンにつけこむなツンにつけこむな
ツンを愛しているのは愛しているのツンを愛しているのはツンを愛しているのはツンを愛しているのはツンを愛しているのは



お願いだ、ツン。これ以上は――。


ξ*゚⊿゚)ξ「好き。大好き。
       ずっとずっと大好きだったの、ブーン」


あの豚と付き合っていたことは許すから許すから


ξ*゚⊿゚)ξ「愛していいの?」

( ^ω^)「僕はずっと君を愛しているお
       何があっても、君を愛すお」

無言。
何をやってるんだ?
無言、無言、無言
声を出せ、聞こえないじゃないか聞こえないじゃないか!
いや、喋るな!そんな言葉は聞きたくない!


ξ*゚⊿゚)ξ「ブーン」


ξ*^ー^)ξ「愛してる」


あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ






そして、私とブーンの生活がはじまった。


ブーンが私の事を家族に「僕のお嫁さんだお」と紹介した時には、びっくりしたけど私は幸せだった。
ブーンはその後、長い時間家族と話し続け、私はブーンの家にお世話になることが決まった。
さすがに、ブーンと同じ部屋には住ませられないからということで、私には内藤家の客間が与えられた。

ブーンと一緒に警察にも行った。
警察では優しそうなお姉さんが応対してくれて、私は涙がでそうになった。
証拠物件として届いた荷物や、写真の入った封筒、携帯の通話記録を提出した。
お姉さんストーカーに関する対応策を教えて励ましてくれて、警察署の番号を携帯に短縮で登録してくれた。


('、`*川 「私たちが力になりますから」


電話番号や住所は、私の捨てたゴミから調べ上げられたらしい。
それから、私の行動が見通されていたのはロマネスクに盗聴器が仕掛けられていたから。
お姉さんは、私の家にまだ盗聴器があるかもしれないと警告してくれた。


('、`*川 「何かあったらすぐに電話をしてください。
      ブザーを持ち歩くようにして下さい。一人では歩き回らないように
      それから、無言電話があったら時間を記録するようにしてくださいね」


警察は見回りを強化すると、約束してくれた。




(*‘ω‘ *)「それにしても大変だっぽね」


私は内藤の妹ぽっぽちゃんと一緒に食事の用意をしていた。
私は居候の身になるので、なるべく家事を手伝うようにしている。


(*‘ω‘ *)「ツンさんは本当のお姉ちゃんみたいだっぽ」

ξ゚⊿゚)ξ 「私も妹が増えたみたいで嬉しい」

(*^ω^*)「このまま兄貴のお嫁さんになっちゃえばいいっぽ
      ウチの兄貴もてないから、ツンさんを逃したら一生独身だっぽ」

ξ*゚⊿゚)ξ「お、お嫁さん」


ぽっぽちゃんと私は年が近いこともあり、すぐに仲良くなれた。
内藤の家と家族は本当に暖かかった。
ずっとここにいられたらいいのに…私はそう思い出していた。


(*‘ω‘ *)「それにしても、本当に心当たりはないっぽか?」

ξ゚⊿゚)ξ「うん。警察にも聞かれたけど、そんな心当たりは別に…」

(*‘ω‘ *)「昔ふった男とかは?」

ξ゚⊿゚)ξ「私、昔からモテないよ」


Σ(*‘ω‘ *;)「ツンさんくらい綺麗な人なら、いろんな男をよりどりみどりじゃないっぽか?」

ξ;゚⊿゚)ξ「そんなことわよ。だって私ぽっぽちゃんのお兄さんに告白されたのが始めてだし…」


私は好きな人には素直になれない質だし、私に告白しようなんて男の人はいなかった。
私は世間的にみればモテないほうに入るんだと思う。
だけど、何となく気になるブーンから告白されたのは奇跡みたいなことだったのだ。


(*‘ω‘ *)「嘘ついてるんじゃないっぽか?」

ξ゚⊿゚)ξ「嘘ってことは…あ、」


そうだ、もう一人いた。
ブーンとのデートと、何が何だかわからない出来事だったという印象が強くてすっかり忘れてた。



('∀`*)「おっ、俺じゃなくて、ぼぼ僕とけけっけけけ、結婚して下さい!!!」


あの人、名前は何だったかしら。
私の生涯の中で告白してきたもう一人の人間は、あの人だ。


ξ゚⊿゚)ξ「出会い頭に結婚を申し込まれたことがあったわ。初対面なのに」

(*‘ω‘ *;)「結婚?それはひくっぽ」

ξ;゚⊿゚)ξ「まあ、その人とその後、遭遇したことなんてないし」

(*‘ω‘ *;)「でも、普通初対面なら結婚なんて申しこまないっぽ
       もしかして……そいつが…」


ストーカー?
でも、本当にそうなんだろうか?
プレゼントが届いたのは、はじめてブーンと空中庭園に行った後だから、時期的にもちょうどあう。
だけど、一回会っただけでストーカーなんてする?


ξ゚⊿゚)ξ「あの人も、冗談だったのかもよ」

(*‘ω‘ *;)「冗談でも、結婚はないっぽ
       ひょっとしたら、ひょっとするかもしれないっぽ」


('∀`*)「僕はここのスーパーでバイトしてるんです。貴方のことは何度も目にしていました」


あの男の人の言葉が頭をよぎる。
私は全く意識してなかったのに、一方的に見られていた。
私が、あの人を振った腹いせにストーカーをした?
ぽっぽちゃんに、「気のせいだよ」と答えることはできなかった。




( ^ω^)「ブーンがこうやって手をつないでいるから、安心していいお」

ξ゚⊿゚)ξ「絶対、離しちゃだめだからね」

( ^ω^)「おっおっ。警報ブザーと痴漢撃退スプレーと携帯電話は持ったかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「うん、大丈夫。何かあったらいつでも通報できるわ」

( ^ω^)「じゃあ、行くお」

(*‘ω‘ *)「いってらしゃいだっぽ」


12月に入った土曜日。私がブーンの家に泊まるようになってから、もうすぐで一週間。
私とブーンはここ二、三週間の出来事を家族に説明するため、私の実家へと向っていた。
盗聴器や、私や実家に届けられた手紙。
事態は、私やブーンだけで解決できるレベルを越えていた。


( ^ω^)「ニュー速駅から特急でいいんだおね?」

ξ゚⊿゚)ξ「鈍行もあるけどチケットがあるならそれが一番速いわ」


ブーンという相談相手と内藤家という安心できる場所を手に入れた私は、落着きを取り戻していた。
この週末の帰省は、電話ではなくて私の両親に直接話すのがいいという内藤の両親の提案によるものだ。
一人で帰るのは怖いけど、クーに頼るのは悪い。
それに、恋人として、内藤家の代表として一緒に行きたいというブーンの希望が重なった結果、
実家へは二人で向うことになった。


( ^ω^)「それにしても、新ジャンルってどんなところなんだお?」

ξ゚⊿゚)ξ「ええとね、ニュー速ほどじゃないけど人の多い町でね」

( ^ω^)「ツンが住んでいるあたりも人が多いのかお?」

ξ゚ー゚)ξ「私の住んでいるのは新ジャンルから、車かバスで30分くらいのところなの」


ブーンと二人で連れたって最寄りの総合駅へと向う。
そこから、電車で20分ほどでニュー速最大の駅であるニュー速駅へつくことができる。
二人でニュー速駅までの切符を買い、ホームへと立つ。


( ^ω^)「おっおっ、楽しみだお」

ξ゚ー゚)ξ「おいしいお饅頭の店とかもあるから、一緒に行きましょう」


私とブーンはストーカーのことを考えないようにしながら、とりとめもない話にふける。
この旅路がただの旅行で、実家の両親に恋人を紹介する女のように私は笑う。
本当にそうだったらいいのにね、ブーン。
私は両親にブーンを紹介する。それで、ブーンはお父さんに「娘さんをくださいお」っていうの。
そうだったら、私は世界で一番幸せなのにね。


('A`)




ξ;゚-゚)ξ


ねえ、ブーン。
ストーカー事件が、貴方の気を引くために私が起こしたものだって聞いたらどう思う?
ねえ、ブーン。
どうして現実はそうじゃないんだろうね。


ξ;⊿;)ξ「嫌」

(;^ω^)「ツン!どうしたんだお!」


Σ('A`;)


ホームの端の方に立っている男と、目があった。
それは、ぽっぽちゃんがストーカーかもしれないと言ったあの男だった。


('A`;)「あっ、あの!大丈夫ですか」


あの男が近づいてくる。
あの男が、私に好きと言った男が、結婚してくれといった男がいる。
あの男が、私を見ていた!
いつ?いつからいたの?何で?どうして?!


('A`;)「急に泣き出したみたいだけど、どうしたんですか」

(;^ω^)「お気遣いはありがたいんですが、結構ですお。
      ちょっと、彼女今いろいろあって…」

('A`;)「いろいろですか?」


こいつは何を言っているんだろう。だって、ずっと私を見ていたじゃない。
ブーンが結構ですって言ってるのに、何で追求するの?
ブーンの手をぎゅっとつかむ。
だけど、流れる涙はブーンの暖かさでも止まらない。


ξ;⊿;)ξ「……で」

(;^ω^)「ツン?」

('A`;)「ツン…さん?」


だいじょうぶ。今はブーンがいるから大丈夫。
今にも逃げ出しそうになる体を、必死で踏みとどまらせる。
息をのみ、カラカラに乾いた口を必死で動した。


ξ;⊿;)ξ「……私に…つきまとわないで…ください」


ξ;⊿;)ξ「プレゼントとか…電話とか…写真とか…
       っ…迷惑なん…です」

(;^ω^)て「コイツ、まさか」

('A`;)「…え?」


(♯゚ω゚)「お前のせいで、ツンがどれだけ苦しんだと思ってるんだ!
      ツンがどれだけ泣いたと思ってるんだ!!」

('A`;)「く、苦し…」

(♯゚ω゚)「ツンが味わった苦しみはこんなもんじゃないお!
      このっ、ストーカー野郎っ!!!」


ブーンが、男の襟首をつかんだ。
その勢いのまま、拳が男にふるわれる。
ブーンの拳はあっけなく男のすいこまれ、男は低くうめき声を上げた。


('A;)「ちが…」

(♯゚ω゚)「血が出たくらいでなんだお!ツンはっツンは!」


ブーンが怖い顔をするのを、暴力を振るう姿を私ははじめて見た。
――ブーンの姿は頼りになるはずなのに、とても怖かった。




ξ゚⊿゚)ξ ( ^ω^)


ふと気がつくと、私とブーンは二人で歩いていた。
あれから駅員が来たりとか、ブーンが私を泣きやませようと大騒ぎをしたとかいろいろあったはずだ。
私にはそれらの記憶が確かに残っているはずなのに、ぼんやりとしていていまいちはっきりと思い出せない。


( ^ω^)「行けなくなっちゃったおね、新ジャンル」

ξ゚⊿゚)ξ「また今度、行けばいいよ」


行けなかったのは私のせいなんだろう、多分。
私はあの後取り乱してしまって、とてもじゃないけど新ジャンルまで行ける状態ではなかったんだと思う。
あの男がどうなったのか気になったけど、とても聞けるような気分じゃなかった。


ξ゚⊿゚)ξ「ごめんね、ブーン」


助けてくれたのに、怖いと思って。
ごめんね、お礼の一つも言えなくて。


( ^ω^)「いえいえ、腕にツンのおっぱいが当たって役得でしたお」


ごめんねの先が言えない私に向って、ブーンはおどけて答えた。
顔を笑顔でいっぱいにして私の顔をじっと見つめる。


ξ//⊿//)ξ「なっ」

( ^ω^)「リアルあててんのよ体験ができるとは思いませんでしたお」

ξ///)ξ「……っ」

(;^ω^)「ツン?」


いつものブーンだ。
私が困らないように気遣ってくれる、優しいブーンだ。
私はあんなにブーンを困らせてしまったのに、ブーンはいつもの笑顔で笑ってくれている。


ξ*゚ー゚)ξ「……バカ」

(*^ω^)「おっおっ」


ξ*^ー^)ξ「大好き」


夕焼け空がとても綺麗だった






('A`)「…ツン」


日の暮れかけた道を、男は歩いていた。男の顔は不自然に腫れているが、その足取りは確かだった。
男はどうやら容姿に気をつかう質ではないらしく、目を覆い隠すほどのび放題の髪型をしている。
服装は履き古しのジーンズにやぼったい白のトレーナーとダウンジャケット、それからオレンジ色のマフラーと手袋。


('A`)「俺はストーカーじゃない。俺はストーカーじゃない。俺はストーカーじゃない」


男はぶつぶつと繰り返し繰り返しつぶやきながら、ゆっくりと歩く。
前方を歩く少女と共にいる少し太ったさえない男、二人にその存在を気取られないように。
少女が太った男に微笑みかけるたびに、男の胸は高鳴った。


(*'A`)「……ツン」


夕焼けのオレンジに輝く彼女の髪は、まさに芸術作品だった。浮かべられた笑顔は天使そのものだった。
男は自分が彼女の側に寄り添っている姿を想像し、至福の気分に浸る。


(*'A`)「(抱きしめたい。口づけたい。愛してると言いたい)」


だけど、それは叶わぬ想像。
少女――ツンは男を拒絶したのだから――。






( ^ω^)「現実って厳しいお」

ξ゚⊿゚)ξ「何のこと?」

( ^ω^)「僕は一日中ツンといっしょにいたいのに、現実には大学。これ、如何にだお」

ξ゚丶゚)ξ「仕方ないじゃない。ブーン、休むと単位危ないんでしょ」

( ^ω^)「日頃の出席態度を今、猛烈に反省しているところだお」


朝、リュックをしょいながらブーンはぼやいた。
あの日、新ジャンルへ行けなかったことをブーンの家族は責めなかった。
それどころか、思いっきり心配されてしまった。
特に、ぽっぽちゃんは「死ねばいいのにっぽ」と連呼し出して大変だった。
新ジャンルへは次の週末、内藤家の自家用車で行くことが決まり、私はかなり恐縮してしまった。


ξ゚⊿゚)ξ「私も一緒に行こうか?」

( ^ω^)「ツンはもう少し、ほとぼりがさめるまで家にいたほうがいいお。
      大丈夫、ツンは優等生だしちょっとくらいなら単位も大丈夫だお」

ξ*゚丶゚)ξ「そんなんじゃないわよ。でも、ノートはよろしくね」

( ^ω^)「ばっちりだお。ツンはカーチャンとワイドショーでも見てるといいお」

ξ゚⊿゚)ξ「うん、そうする」




ξ゚⊿゚)ξ「いってらっしゃい」

(*^ω^)「いってきますだお」


ブーンを家から送り出す瞬間は寂しいけど、好き。
ほら、よくドラマであるじゃない?
新婚ほやほやの奥さんが旦那さんを仕事に送り出す光景。


ξ゚⊿゚)ξ「ちょっとまって、ブーン」

( ^ω^)「ん?」


かわいい奥さんは、旦那さんにいってらっしゃいのキスをするの。
それはたまらなく幸せな光景で。あこがれちゃうよね?


ξ*゚⊿゚)ξ「キス、して?」


瞳を閉じる。
私はストーカーに狙われて、ブーンの家にお世話になっている存在だけど。
ほんの少しの幸せを望んでも、いいよね?
今だけは、ブーンのお嫁さんだって信じさせて。




――だけど、私はそんなことを望んではいけなかったらしい。



J(;'ー`)し「はい、内藤は家です。
      内藤ホライゾンは私の息子です」


私にとってのブーンは世界で一番愛しいひと。
ブーンがいない世界なんてあり得ない。


(*;ω;*)「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


だけど、


(;´∀`)「……ホライゾン」


ブーンを無くしてしまったら、私の世界には何が残るんだろう?












               ( ^ω^)












       「即死です」


                                       「バラバラ」




                  「電車…」





 「見つかってないパーツが」




                                「突き落とされた可能性も」

















                 ξ゚⊿゚)ξ「ブーン?」


















             ( ^ω^)「僕はずっと君を愛しているお
                    何があっても、君を愛すお」




                ξ*^ー^)ξ「ブーン、愛してる」











(-_-)「調査の結果ですが、突き落とされた可能性がかなり高いです」


J( ー )し「何で…駅になんか…」

(*;ω; *)「殺してやるっ!殺してやるっぽ!!殺してやるんだっぽ!」

(;´∀`)「ぽっぽ、落ち着きなさい」


ブーン。
あんた、殺されちゃったよ?
このままじゃ、本当に殺されちゃうよ。

隠れてるなら、早く出てきて。
ほら、「どっきりだお」って微笑んで。



             ξ ⊿)ξ「…ブーン」







ξ;⊿;)ξ「……っ」


ξ;⊿;)ξ「……・…あぁつ」





ξ;⊿;)ξ「                   」




あなたのいない苦しさで、死んでしまえればいいのに







ざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろ
ざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろ
ざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろ
ざまあみろざまあみろざまあいしてるあみろざまあみろざまあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいして
ざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろ
ざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろ
ざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろ
ざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろ
ざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあいしてるあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろ
ざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろ
ざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろ
ざまあみろざまあみろざまあいたいまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろ
ざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあいしていあみろざまあみろ
ざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろ
ざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあいたいまあいたいまあみろざまあみろざまあみろざまあみろ
ざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろ
ざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろ
ざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろ
ざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろ
ざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろざまあみろ






川;゚ -゚)「ツンっ、大丈夫かっ?!」

ξ゚⊿゚)ξ「……クー?」


あれ?
どうしてここに、クーがいるんだろう。


川;゚ -゚)「      聞いた
                        だよ」


何を言ってるの、クー?


( ^ω^)


ブーン。
ここはどこ?
それにしても、今日のブーンは花に囲まれていてとっても綺麗ね。


ξ゚⊿゚)ξ「ブーンったら、酷いのよ。ここのところ話しても、返事をしてくれないの」

川 ゚ -゚) 「    」



川 ゚ -゚)「内藤ホライゾンは死んだ」

ξ ⊿ )ξ

川 ゚ -゚)「辛いだろうが、聞いてくれ。
     内藤ホライゾンは、死んだんだ」

ξ ⊿ )ξ「いや」


お線香のにおいがした。
低い読経の声が、すすり泣く声が聞こえた。ひときわ大きい泣き声はぽっぽちゃんのものだった。
私の見たブーンは祭壇に飾られた写真で、ブーンが花に囲まれていたのは、祭壇に飾られた菊のせいで……


ξ;⊿;)ξ「嫌よ!信じない!信じたくないっ!!!
       だって、ブーンが死ぬはずないじゃないっ!」

川 ゚ -゚)「だが、死んだんだ。辛いだろうが、現実を受け止めてくれ。
     君の死んだような顔は、見たくないんだ」

ξ;⊿;)ξ「ぁぁぁ…ああああぁああああああああああ!!!!」



私の世界で一番愛しい人は、こうして死んだ。





ずっと住んできたマンションの住み慣れた部屋に私はいた。
ブーンがいなくなってしまった以上、私は内藤家にはいられない。
ブーンのお父さんもお母さんもぽっぽちゃんもひきとめてくれたけど、ブーンのいない家を見るのは私には辛かった。


川 ゚ -゚)「少しは落ち着いたか?」

ξ ⊿ )ξ「……うん」


嘘だ。落ち着けるはずなんて無い。
だって、ブーンはいないし、ここはブーンの家でも無いんだもの。


川 ゚ -゚)「君がいろいろな事件に巻き込まれていたと知って、びっくりした。
     それと同時に、君が私に相談してくれなかったことに少し傷ついたよ」

ξ ⊿ )ξ「……ごめん」


ブーンを失ってからっぽな胸に、少し傷みが走る。これは、きっとクーに対する罪悪感だ。
クーが心配だからと心で言い訳をしながら、私は少しもクーに相談しようとはしなかったから。
多分、美人で頭もいいクーに「気のせいなんじゃないか」って言われるのが怖かったんだと思う。
ブーンに相談してからはブーンの事ばかり考えていたから、その事に対する罪悪感もほんの少し。


川 ゚ -゚)「忙しいからと、しょっちゅう家を空けていた私にも非はあるがな。
     君が妙な電話をしてきたと時も、私は深く追求しなかった。
     だからだろう?君が内藤を頼ろうと思ったのは」


ξ ⊿ )ξ「……」

川 ゚ -゚)「ツン…」


私の元気があまりにも少ないのに、クーは困ったみたいだった。
ごめんね、クー。心配してくれているのに、私は私の事で頭がいっぱいみたい。
心配かけてごめんね、友達なのに。


川 ゚ -゚)「……これは、話そうかどうか悩んでいたことだ。
     それに、これは私の勝手な空想でもある。
     だけど、このままでは君が今にも死んでしまいそうだから、伝えることにするよ」

ξ ⊿ )ξ「いいよ、話して。ブーンが死ぬこと以上に辛いことなんてないから」


クーは渋い顔をして黙り込む。話そうか話さないべきか、まだ踏ん切りがつかないみたいだ。
私は、クーが作ってくれたコーヒーを一口すする。
冷えた心に、コーヒーはあったかかった。


川 ゚ -゚)「内藤を殺した犯人は、おそらく君を狙ったストーカーと同一人物だ」


ξ♯゚⊿゚)ξ「何よそれっ!!!」


川 ゚ -゚)「君を狙ったストーカーは、内藤が君の恋人だということを知っていた。
     ストーカーからすれば、内藤はツンをうばった憎い恋敵だった。
     殺すには、十分すぎる動機だろう?」

ξ♯゚⊿゚)ξ「…信じられない」

川 ゚ -゚)「おまけに、内藤は君の庇護者でもあった。内藤と警察へ行ったんだろう?
     内藤は業者に頼みこの部屋の盗聴器の除去と、鍵の付け替えも行っている。内藤の母上から聞いたよ。
     ストーカーからすればこれはゆゆしき事態だっただろうな。
     当然だ、自分とツンの接触の邪魔をしたんだからな」

ξ♯゚⊿゚)ξ「だからって、殺す?頭おかしいんじゃないの!」


私は怒りで目の前が真っ赤になっていた。
こんな、理由で。こんなくだらない理由でブーンは死んだっていうの?
冗談じゃないわ!


川 ゚ -゚)「ツン、世界で最も憎い相手が無防備に背中をさらしていたらどう思う?
     それが、誰にもばれやしない状況だったらどうだ?」

ξ゚⊿゚)ξ「え?」

川 ゚ -゚)「電車のホームというのは、そういう場所なんだよ。
     人が簡単に死んでしまえるような場所なのに、乗客の誰もが油断しきっている」

ξ゚⊿゚)ξ「そうだとしても、やらないわ普通」

川 ゚ ー゚)「『普通』はな。だけど、断言してもいい。
      絶対ばれないという条件で人があっさり殺せるのならば、殺す人間は必ずいる」



(-_-)「調査の結果ですが、突き落とされた可能性がかなり高いです」



ぼんやりとした意識の中で聞いた言葉を思い出す。
ブーンは突き落とされた。誰に、犯人に。犯人が、ストーカーだとしたら?


ξ゚⊿゚)ξ「……私のせいなの?」

川;゚ -゚)「ち、違う!私は犯人への怒りが、君の生きる気力へとなってほしいと思って」

ξ゚⊿゚)ξ「違わないわ、私のせいよ。私がブーンを巻き込んでしまったから」

川;゚ -゚)「違う…それは違うっ!」

ξ;⊿;)ξ「ブーンを殺したのは、私
       あははははは、何て女なの私!巻き込むことはわかってたのに、それに甘えてっ」

川;゚ -゚)「ツンっ!」


クーがテーブルを叩いた。ドンという大きな音がして、マグカップがグラグラと動いた。
クーは怖いくらい真剣な表情で私を見る。しばしの躊躇の末、クーは口を開いた。


川 ゚ -゚) 「犯人を捕まえよう、ツン。内藤の……かたきを討つんだ」


ξ゚⊿゚)ξ「かたきをとる?」

川 ゚ -゚)「そうだ。内藤の死が自分のせいだと思うのならば、犯人を捕まえることで償えばいい。
     自暴自棄になる必要なんかない」


ブーンを殺した犯人は殺したいくらいに憎い。
だけど、私が犯人を捕まえるなんて出来るのかしら。
私は、ブーンを失って泣いてばかりいるのに。


川 ゚ -゚)「ツンには私がいる。私じゃ、力になれないか?」

ξ゚ -゚)ξ「……」

川 ゚ -゚)「私は、ツンの力になりたい」


クーの瞳は真剣で、慰めで言っているようには見えなかった。
だから、私も真剣に言葉を返すことにした。


ξ゚⊿゚)ξ「ブーンみたいに死んじゃうかもしれないのよ」

川 ゚ -゚)「かまわない」


ξ゚ -゚)ξ「……」


ξ゚⊿゚)ξ「何をすればいいのか、教えて」



川 ゚ -゚)「部屋の鍵は変えられ、盗聴器は撤去。
     君が内藤家から帰って来たとはいえ、犯人からの接触は難しいはずだ。
     だから、犯人は君のすぐ近くに現れるはずだ」


クーはまるで探偵のように、犯人の行動を予測する。
あくまでも、冷徹に冷静。「多分、とかおそらく」と言ったあやふやな言い方はしない。


ξ゚⊿゚)ξ「それで、私は?」

川 ゚ -゚)「君はこれまで通り、この家で暮らせばいい。
     怖ければ私の部屋に来ていいが、なるべくここで過ごして欲しい。
     ただし、何かあったらすぐ私に連絡すること。
     外出時には出来る限り私と共に行動すること」

ξ゚⊿゚)ξ「それだけでいいの?」

川 ゚ -゚)「それと、もう私に隠し事をしないでくれ。
     何か会ったときに対応できないし、寂しい」


クーは私が相談しなかったことを気にしているんだ。
私がクーを信じられなかったから、こうして心配している。



ξ゚⊿゚)ξ「これからは全部、クーに話すわ」

川 ゚ -゚)「ツン、君が耐えてくれていれば犯人はいずれしっぽを出す。
     だから、それまで耐えてくれ」






('A`)「会いたい」


履き古されたいつものジーンズに、黒いトレーナーとダウンジャケット。
それから、オレンジ色のマフラーと手袋姿で男は立っていた。
頭上には光り輝く月と、巨大なマンションとその中の一つの部屋。彼女が、マンションに帰ってきた。


('A`)「ツン……」


久しぶりに眺める彼女の表情は、生気がなかった。
今、あの部屋の中で彼女はどんな表情をしているのだろう。彼女はどんな気分でいるのだろう。


('A`)「君の声が聞きたい。君の笑顔が見たい
    それが、無理なら…せめて…」


男のはいた息は透明だった。
外に出た時は白かったのにと、男はちらりと考える。
だけど、そんなことよりも大切なのは彼女のことだった。

マンションの前に立つ度に会いたさが募る。
だけど、それではだめだ。


なぜならば、男は彼女を愛していたから。


男はマンションを見上げ、「せめて」に続く言葉を考えた。






ξ゚⊿゚)ξ「今日は何も異変はなかったわ」

川 ゚ -゚)「そうか。それで今日、ツンは何を?」


夜になると私はクーの部屋に電話をかける。これは、クーが取り決めた定時連絡だ。
私はクーに犯人は動いたか、何か異変が無かったか、今日何をしたかをクーに報告する。
クーはそれに対して、アドバイスや指示を私に出す。


ξ゚⊿゚)ξ「今日は家でクッキーを作ってたわ。明日、クーに届けるから楽しみにしてて」

川 ゚ ー゚)「そうか、それは嬉しいな」


だけど、私はクーとの買い物や外出以外は基本的に家にいることになってるから報告することはほとんどない。
定時連絡は最終的に、事件とは関係のないおしゃべりで終わってしまっていた。
焦りはある。クーは「そんなに早く事態が動くはずはない、おちついてくれ」と言う。
だけど、



('A`;)


ξ;゚⊿゚)ξ川♯ - )


――転機はすぐに訪れた。




('A`;)「あっ、あのっ、ツンさんにお話があるんですっ!」


クーと共に夕飯の買い出しへ出かけてすぐ、その男は電柱から姿を現した。
まるで、ずっと待っていたかのようなタイミングに私はゾクリとする。


川 ゚ -゚) 「……『ツン』だと?お前は誰だ!」

('A`)「う、鬱田独男といいます。
   今日はツンさんにどうしてもお話したいことがあって来ました」

川 ゚ -゚) 「ツン」


この男は?話しても問題は?クーが視線で問いかけてくる。     
逃げ出したい。だけど犯人は接触してくるはずとクーは言った。
だから、こいつが……本当に、犯人。


ξ;゚⊿゚)ξ「前に話した、私に告白してきた人」

川 ゚ -゚) 「……コイツが犯人かもしれない」


クーは私にだけ届く声でそっと、ささやいた。


川 ゚ -゚)「私たちは君とは話すつもりはないのだが」

('A`;)「それは、覚悟してます。だから、こ、これだけでもっ!!!」


男はポケットから白い紙切れを出すとクーにつき出す。


川 ゚ -゚)「これは、何だ?」

('A`;)「僕の携帯の番号とメルアドです」

川 ⊿ )「ふざけるなっっ!!!」


クーの大声が響き渡った。クーの怒鳴り声を聞いたのは何年ぶりのことだろう?
クーは顔全体に怒りを浮かべて叫ぶ。


('A`;)「お、俺はただ」

川♯ - )「出会い頭にメルアド?携帯番号?お前はツンとは何の関係のない男だろ!
      そんなことする人間がどこにいるというんだ!」

('A`;)「俺は…俺はツンさんに…」



川♯ ⊿ )「お前がストーカーだ」



ξ;゚⊿゚)ξ「……やっぱり」

('A`;)「違うっ!俺は君が心配なんだっ!!!」


足が震えて、視界がにじみ出した。こいつが、ストーカー。
それだけじゃなくて、ブーンを殺した犯人。
私から全てを奪った張本人。


川♯ - )「帰るぞ」


クーはきびすを返すと、私の手を思いっきりひく。あまりに強い力なので、私の腕は悲鳴をあげる。
そして、そのままクーは駆け出す。


ξ;゚⊿゚)ξ「でも、警察に連絡」

川♯ - )「悔しいが証拠がない。今は逃げるんだ」

ξ;゚⊿゚)ξ「でも、」

川♯ ⊿ )「いいから、急げっ!」


振り向くとアイツが私を追って駆けだしていた。


('A`;)「ツンさんっ!俺は君の味方だからっ
    だからっ!!!」


川 Д )「あいつの、言葉に耳を貸すな。君は私の言うことだけを信じていればいい」

ξ;゚⊿゚)ξ「……っ」


クーと二人、12月の町中を走る。
どこからかクリスマスソングが流れてきて、ブーンの事を思い出した。
私はアイツを捕まえないといけないのに、どうして逃げてるんだろう。
どうして、こんなにも怖いんだろう。


ξ;⊿;)ξ「ブーンっ」


あなたから私へメリークリスマス。もうすぐ恋人達の祝日です。
あなたも大切な人にプレゼントをおくりませんか?
みんなが、幸せになれる日クリスマス。


ξ;⊿;)ξ「ブーン、たすけて!」


クリスマスが人を幸せにしてくれるなら、ブーンを生きかえらせて。
生きかえったブーンは、きっと私を助けてくれるから。
ううん。助けてくれなくていい。


ブーンに会いたい。








どうしてうまくいかないうまくいかないうまくいかないうまくいかない!!!!
あの邪魔者はもうこの世からいなくなったはずなのに、なぜ邪魔をする!!!
信じられない。どういうことなんだ!


ξ゚⊿゚)ξ


ツン、愛しい愛しいツン。
もうこうなったら手段は選んでいられない。
ツンを手に入れるためなら何だってする

自分はこんなにもツンを愛しているんだ。
愛する二人がハッピーエンドになれない結末はおかしいだろう?
だから、もう大丈夫だ。


ツン、君を愛している

愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している
愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している
愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している
愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している






川;゚ -゚) 「もう、大丈夫だ」

ξ; ⊿ )ξ「…っ」


荒い呼吸を何度も繰り返す。吸ってはいて、吸ってはいてを繰り返して、息を整えようとする。
見ればクーの方も苦しそうだった。
私たちはクリスマスセールで賑わう商店街を駆け抜け、マンションへと帰りついた。


川;゚ -゚) 「ここは、私の部屋だからまだ、犯人にはわれてないはずだ」

ξ; ⊿ )ξ「…う…うん」

川;゚ -゚)「今日は泊まって落ち着いていけばいい」


クーは玄関でへばっている私を置いて、台所へと向う。
そして、ミネラルウォーターのボトルを持ってきてくれた。
私はミネラルウォーターを一気に飲み干すと、そこで漸く息が落ち着いた。


ξ; ⊿ )ξ「警察に連絡しなきゃ」

川 ゚ -゚) 「今は、まだいい。
      確実な証拠を手に入れてからだ」

ξ;゚⊿゚)ξ「でも、証拠なんて」

川 ゚ -゚)「大丈夫、つきまといの現場をカメラで写真にとればいい。
     警察は確実に動いてくれる」

ξ;゚⊿゚)ξ「それじゃあ、さっき携帯で写真をとっていれば」

川;゚ -゚)「……っ」


クーはここで、しまったという表情を作る。
どうやら、クーも焦っていたらしい。そこまで気が回らなかったみたいだ。


川;゚ -゚)「すまない」

ξ゚⊿゚)ξ「大丈夫。私だって、犯人を捕まえるって言ったのに、結局はブーンに助けを求めちゃったもの。
      本当に弱いね、私」

川 ゚ -゚)「内藤はもう」

ξ゚ー゚)ξ「わかってる。ブーンがもういないってことちゃんとわかってる。
      だけど、どうしても頼りにしちゃうみたい」


だから気にしないで、私はそう微笑む。
クーは複雑そうな表情で私を見ていたが、食事の支度をすると台所へと向った。


少ない材料で、トマトの缶詰とスパゲッティという簡単な食事をクーは作り上げた。
味はとてもおいしかったけど、アイツと遭遇したせいでほとんど手をつけられなかった。
それでも、アイツに会ったショックで意識を飛ばしていたころより、私は大分マシになったと思う。


川 ゚ -゚)「多分、アイツは自分がストーカーだということに気づいていないんだと思う。
     アイツ本人はあれで、ツンを守っている気になってるんだ」

ξ゚⊿゚)ξ「ブーンを……酷い目にあわせたのに?」

川 ゚ -゚)「それさえも、ツンを守る行動の一環だととらえているんだ」


食事を終えると、あの男について対策を立てることになった。
クーはアイツについてそう分析した。


川 ゚ -゚)「周囲の声を聞かず、自分の妄想をまき散らすタイプだ。
     絶対、アイツの言葉を信じるな」

ξ゚⊿゚)ξ「頼まれたって信じないわ」

川 ゚ ー゚)「その意気だ、ツン」


やはり、写真を撮るにはカメラのほうがいいだろうと言うことで、明日私の部屋に着替えと一緒にカメラを取りに行くことになった。
二人がカメラをもてば写真が撮れる確率はあがる。私たち二人はその確率にかけることになった。







一人、夜道を歩いた。
計画のためには、いくつか必要なものがある。
何とかしてそれを手にしなければならなかった。


何件か店を尋ね歩く。
自分の顔を覚えられてはいけないから、その作業は神経をすり減らすものだった。
気を使うのは苦手だ。


それから、いくつかの作業をした。
それは、これまでしてきたいくつもの作業よりも緊張し、それと同時に興奮するものだった。



ξ゚ー゚)ξ



全てはツン、君のために  





                                愛している永遠に




川 ゚ -゚)「おはよう、ツン」

ξ゚⊿゚)ξ「……クー?」


クーに起こされたのは、昼を回ったころだった。
昨日の逃亡劇は私を疲れさせていたらしい。いつ寝たのかも思い出せないくらいぐっすり寝ていた。
他人のいる家という安心感だろうか。こんなに眠れたのは、ブーンがいなくなってからはじめてだった。


川 ゚ -゚)「さっそくで悪いが、君の部屋へ行こう。
     明るいうちに行って起きたいんだ」

ξ゚⊿゚)ξ「あ、うん」


寝過ぎで痛む頭を振りながら、立ち上がる。
部屋に戻ったら着替えをまとめて、それからシャワーを浴びよう。
昨日は着替えもなかったしシャワーを浴びる前に寝ちゃったみたいだから、きっとさっぱりできるだろう。


川 ゚ -゚)「さあ、行こう?」


玄関で待つクーの手には、昨日の計画通りしっかりカメラが握られていた。




ξ;゚⊿゚)ξ「あれ、鍵が開いてる」


エレベーターで上の階にあがり、玄関前に立ったところで違和感に気づいた。
ブーンに取り替えて貰った新品のはずなのに、鍵穴の周りには傷が増えている。
嫌な予感がしてノブを握ったら、鍵がかかっているはずの扉はあっさりと開いた。


川;゚ -゚)「ツン、先に私が入る」


クーが私を押しのけて、玄関の扉を開き中に入る。
そして、進もうとして止まった。


川;゚ -゚)「ツン、君は防犯用に男物の靴や下着を買ったかい?」


そんなことをした記憶はない。大体、そんな指示はクーから出ていなかった。


川;゚ -゚)「靴がある、男物だ」

ξ;゚⊿゚)ξ「な、何で」

川;゚ -゚)「わからない。そんなことがあるとしたら……」


川 ゚ -゚) 「不法侵入だ」


ξ;゚⊿゚)ξ「じょ、冗談だって言ってよ」

川;゚ -゚) 「私だって冗談だと信じたいよ」


頭がガンガンする。それなのに、心臓はバクバクする。
のどが嫌に乾いて、それなのに手には汗がでる。
まさか、まさかまさか、まさか、まさか


川 ゚ -゚) 「私が、入って確認する」

ξ;゚⊿゚)ξ「ダメよ!絶対ダメっ!!!!」

川;゚ -゚) 「馬鹿。声が大き――」


そのとき、誰も居ないはずの家の中から物音がした。
物音はだんだん大きくなっていく。
そして、


('∀`)「ツンさん、来てくれたんですね」



――悪夢が、姿を現した。



('∀`)「どうしたんですか、ツンさん?やっぱり、僕が怖くなっちゃいましたか?
    安心して下さい。僕は、何もしませんから」


アイツが私の家の中から、ニコニコと笑っている。
その笑顔はブーンと違って、ひどく気持ち悪い。
昨日会ったときも身につけていた、オレンジ色のマフラーがいやに鮮やかだった。


('∀`)「どうぞ、ツンさんの家でしょう?それとも、玄関先で話しますか?」


アイツが私の家にいる。
ちゃんと鍵を掛けたはずなのに、立っている。
何で、どうして?!鍵は取り替えたはずなのよ!!!


ξ;゚⊿゚)ξ「……あ」

('A`)「ツン…さん…?」


私の硬直はカメラのフラッシュによって解かれた。
クーがカメラを構えていた。


川♯゚ -゚)「早く、電話っ!」


クーの掛け声が引き金になり、私は携帯の短縮ダイヤルを押す。
お願い早くつながって!お願い早く、早くっ!!!


('A`;)「一体、何が…」

川♯゚ -゚)「逃がすかっ!」

Σ('A`;)「ちょっと、離して下さい。ツンさんの前ですよ」

川♯ - )「うるさいっ!!」



アイツが呆然としている中、携帯は警察の相談室へとつながり、



ξ;゚⊿゚)ξ「ストーカーがっ、私の部屋にっ!!お願いたすけてっ!!!」



私は、助けを求めた。




私を苦しめ続けた事件は、これであっさり終わりを迎えることなる。


あの後、ようやく事態を悟ったアイツは靴下のまま駆けだしたが、たまたまパトロール中の警察官に捕まった。
離してくれと叫ぶアイツの姿は、これまで私を苦しめた男のものとは思えないほど見苦しかった。


('A`)「違うっ、違うんだっ!!!俺はツンさんに話したいことがあるって呼ばれたんだ!」

('A`;)「確かに、ツンさんの後をつけたり家を見てた。それは認めるっ!
    だけど、俺はストーカーじゃない信じてくれっ!!!」

('A`♯)「俺は、ツン。君をストーカーから守ろうとしてたんだ」


今も、警察に連行されていくアイツの声が耳を離れない。


('A`;)「俺は君を見ていた。だから、知ってる。
    君の周りに不審者なんていなかった!いないんだよそんな奴は!
    ストーカーがいるなら、それは君のすぐ身近だ!!!」


私は、耳をふさぐ。
ストーカーの言うことなんて、聞きたくなかった。




川 ゚ -゚)「君の両親はすぐに駆けつけてくれるそうだよ」

ξ゚-゚)ξ「……うん」


警察署の一室で、クーはそう教えてくれた。


川 ゚ -゚)「……君の部屋の鍵がアイツのポケットから見つかったそうだよ。
     不審なオレンジ色のマフラーの男を見たと言う目撃情報も多いみたいだ」


私を苦しめ続けた事件は、これであっさり終わりを迎えた。
でも、あの犯人の言葉がずっと耳にこびりついて離れない。
アイツは逮捕されたあとでも、こうして言葉で私を縛り続けている。


ξ゚-゚)ξ「…そう、だけどね」


犯人が、ブーンのかたきが捕まった今でも私は怯えたままだ。

そんな私の姿を見て、クーは困ったみたいだった。
少しの間沈黙して、そして口をひらいた。


川 ゚ -゚)「これから、話すのは仮説という名の私のあてずっぽうだ。
     それでもいいなら、聞いて欲しい」



この事件を解決した、名探偵クーによる推理ショーがはじまった。
そのたった一人の観客である私は、警察のソファーに腰掛けたままクーの話を聞く。
クーの話を聞かない限り、私にとっての事件は終わりを迎えられないままだ。


川 ゚ -゚)「アイツの言った身近なストーカーとは、内藤のことだ」


クーの話は、このような前置きからはじまった。



川 ゚ -゚)「君と親しく話す内藤の姿は、アイツにはストーカーにしかみえなかったんだよ。
     内藤はいつでも君に電話をかけれたし、
     君たちが出かける場所を把握していたのは君と内藤とそのご家族だけなんだから」

ξ゚-゚)ξ「……ブーンはそんなことをしない」


川 ゚ -゚)「そうか、ならば別の解答も用意しよう」


だけど、気を悪くしないでくれ。クーははっきり、そう念を押した。
私はあくまでも私の推論を口にしているだけだからね。
クーのその言い方は、どこまでも名探偵じみていたので、私はそっと微笑みを浮かべた。


ξ゚-゚)ξ「話して、名探偵さん」

川--)「それならば、話してあげよう、お嬢さん。
      何度も言うけど、後悔はしないでくれよ」


名探偵はすっと、顔をあげて私の表情を見た。
被害者である私は、名探偵の顔をじっと見つめ答えを待つ。


川 ゚ -゚)「犯人は君だ、ツン」


名探偵の答えはとてもシンプルだった。


川 ゚ -゚)「アイツは自分がストーカーではないという妄想にとらわれているということを、忘れずに聞いて欲しい。
     アイツはこう思っていた。自分はストーカーではない。
     なぜならば、ツンを愛しているからだ」

ξ゚-゚)ξ「それで、どうして私が犯人になるの?」

川 ゚ -゚)「彼は君の周りに不審者の姿は無いと言った。
     私は事件に途中から関わったし、アイツと内藤とは面識が無かったから当然、除外だ。
     そうなると、アイツにとって犯人候補は、内藤とツンしかいないんだ」

ξ゚⊿゚)ξ「それで?」

川 ゚ -゚)「君が内藤は犯人でないと主張するならば、残る犯人は君ってことさ
     犯人である君は、自分で荷物を送り、写真をおくったんだ。
     動機は、内藤の気をひくためってのはどうだい?」


クーの推理は私がそうであって欲しいと、かつて望んだものと同じだった。
だから、私はようやく安心することが出来た。
アイツは頭がおかしい妄想狂。信じる必要なんて無い。



川 ゚ -゚)「君は内藤を失ってしまった。ストーカーに狙わたことで、人を信じる事が出来なくなってしまった。
     だけど、もう信じられる人がいないなんて思わないでほしい。」

ξ゚⊿゚)ξ「無理よ。だって、私にはもう何もないもの」


私の言葉に、クーはそうかもしれないと相づちをうった。
だけど、名探偵はこの世に証明できないことはないというような表情を見せた。


川 ゚ ー゚)「私は、今でも信じられないかい?」

ξ゚⊿゚)ξ「あ……」

川 ゚ -゚)「君には、君を心配して遠路はるばる駆けつけてくれる両親がいる。
     君のことをずっと心配してくれる、妹さんもいる。

ξ゚⊿゚)ξ「お父さん、お母さん。…デレ」

川 ゚ -゚)「内藤家の皆さんは、赤の他人の君を家に泊めてくれていたそうじゃないか。
     内藤君が死んだ後でも、それは同じだった。それは、何故だと思う?」

ξ゚⊿゚)ξ「…でも、でも…」


川 ゚ ー゚)「この答えは、君が探してくれ。名探偵である私から、君への問題だ」




あれだけの事件の後で、普通に一人暮らしをすることが出来るはずもなく。私は、実家へと帰ることになった。
せっかく合格した大学へもう行けないのは残念だけど、
クーの進めで地元の新ジャンル大学への編入試験を受けることになった。


川 ゚ -゚) 「本当に、帰ってしまうのかい?」


クーはとても寂しそうな顔をしたが、最後には笑顔で見送ってくれた。
ブーンの両親やぽっぽちゃんは私が帰ると伝えると、沢山のおみやげをくれた。


J( 'ー`)し「ホライゾンを……あの子を愛してくれてありがとう」

( ´∀`)「辛いだろうけど、君は君の人生を生きてほしいモナ
      いつまでも、ウチの子にとらわれないでくれモナ」

(*‘ω‘ *)「ツンさん。ツンさんは私にとってお姉ちゃんみたいなものだっぽ
      いつでも、遊びに来てほしいんだっぽ」


ブーンの家族の言葉と気遣いはとても優しくて、私は泣き出してしまった。


私は今、実家で編入試験へ向けての勉強を進めている。
故郷での日々は暖かいけど、ブーンのこと思い出すたびに涙を流す日々を私は送っていた。
そんなある日、クーから手紙が届いた。






津出 麗子ことツンへ、



あれから何週間かたったが、元気かい? 君が実家へ帰ると聞いてびっくりしたが、今はそれでよかったんだと思う。
いつも強気な君が辛そうな顔をするのは、私も辛い。君が少しでも楽になるなら、いくらでものんびりしてほしい。
しっているかい?あのストーカーだが、内藤の殺害容疑でも取り調べを受けているようだ。
てずから罰を下せないのは残念だけど、これで少しも気が晴れたと思う。休みには帰るから、詳しくはその時に。
ルーフガーデンへまた行こう。それが嫌なら、二人でよく行った喫茶店でも、海でも遊園地でもいい。

永久に明けない夜はないように、君にもきっと新しい朝はやってくる。
遠い未来のことになるかもしれないけど、君は立ち直ってくれると私は信じている。
にげないでくれ。そして、また私に君の笑顔をみせてほしい。私は待っているから。



                                                 素直空ことクーより




世間ではもう冬休みだというのに、空気を読もうとしない教授は黒板の前で延々と講義をつづけていた。
やはりというかなんというか、自主休校をきめこむ生徒は多く教室は閑散としていた。


川 ゚ -゚) 「(もう、手紙は届いただろうか)」


実家へ手紙がつくまでの日数を計算する。
ツンの家は実家からそう遠くはないから、今頃は手紙が着いているはずだ。


川 ゚ -゚) 「(気づいてくれるかな…)」


冬休みに入ったら実家に帰ろう。
その時には、ツンが少しでも元気になってくれていればいい。
ルーフガーデンと、お気に入りの喫茶店にでも行こう。
きっとツンは楽しんでくれるに違いない。

年末に授業をやろうとする教授は少ないから、
この授業の担当教授のように空気を読めない限りはすぐに休みに入るはずだ。
それまであと少し。


クーはツンと過ごす日々を思い、薄く微笑んだ。






ξ゚⊿゚)ξ「クー」

クーからの手紙には、事件についてが少しと私への励ましが書かれていた。
内藤という文字を見た瞬間には涙がこぼれてしまったけれど、もう泣くのは止めようと思う。
そう思ったのは、クーの手紙に「君の笑顔をみせてほしい」という文字をみつけたから。



( ^ω^)「おっおっ。ツン笑ってるお」

ξ゚⊿゚)ξ「笑っちゃ悪い?」

( ^ω^)「そんなことないお。むしろ嬉しいんだお」

ξ゚丶゚)ξ「嬉しい?私が笑顔だと?」


(*^ω^)「うん。僕はツンの笑顔が、世界で一番大好きなんだお」



涙は止めれても、笑顔はなかなか作れそうになかった。
ブーンが見たら、きっと困ってしまうな表情を私は浮かべてるんだと思う。


ξ゚-゚)ξ「ブーン、本当にあんたのことが好きだったのよ」


ねえ、聞いてる?
聞いてるなら私の顔を見て「おっおっ」て、いつものように笑って。
そうすれば、きっと笑えるから…。



コンコンとノックの音が響いた。
私がドアを開けると、デレが困ったような顔をして立っていた。


ζ(゚丶゚*ζ「お姉ちゃんケーキがあるんけど……」

ξ゚⊿゚)ξ「せっかくだけど…」


泣くのは止めようと思ったけど、今はケーキを食べるような気分じゃない。
私の分のケーキはデレに食べて貰おう、そう思って私は口を開く。


ζ(゚、゚*;ζ「お姉ちゃんが一番好きなサンタさんのとこあげるから!
       ほら、みんなで食べた方がおいしいと思うの
       それに、ほらケーキが嫌ならチキンもあるよ!」

ξ゚⊿゚)ξ「急にどうしたの?ケーキ好きでしょ、デレ」

ζ(>、<*ζ「今日はクリスマスだからっ、
       お姉ちゃんには元気出してほしい。
       デレには何も出来ないけど、お姉ちゃんには笑顔でいてほしいのっ!」


いつもはおとなしいデレが大声を上げていた。
それで私はようやく、名探偵の出した問いの答えに気づいた。
私の笑顔を望んでいるのはブーンだけじゃない。
デレも、クーも、そしておそらく両親も、私の笑顔を望んでいる。


ζ(>、<*ζ「デレじゃ、お姉ちゃんの好きだった人にかなわないけど」

ζ(;、;*ζ「だけど…」


私は、妹を泣かせてまで何をしてるんだろう。
私は、友達に心配をかけてまで何をしてるんだろう。
私がしていることといったら、部屋にこもって皆に心配かけているだけじゃないか。


ξ゚⊿゚)ξ「今日はクリスマスだったんだね」

ζ(;、;*ζ「…うん」


ブーンと二人で過ごそうと思っていたクリスマス。
だけど、そんなクリスマスを祝ってくれる妹と家族が私にはいる。


ξ゚ー゚)ξ「デレ…お姉ちゃん、もう大丈夫だから。」


それはすごく幸せなことなんじゃないかと思う。


ζ(;、;*ζ「……うん」

ξ゚ー゚)ξ「ケーキ食べよ?」

ζ(^ー^*ζ「うん!」


「永久に明けない夜はないように、君にもきっと新しい朝はやってくる。」
クーの手紙の一説を思い出す。
今はまだ無理だけど、私にもブーンを失った悲しみが癒える日がくるのかな?


ξ゚ー゚)ξ「メリークリスマス、デレ」

ζ(^ー^*ζ「メリークリスマス、お姉ちゃん!」



もしその日が来るのなら、私はブーンの好きなとびきりの笑顔を浮かべていたい。
――そう、思った。



END


12月25~26日投下
まとめサイト様は、
快感速報さんの コチラ
ハチミツ的な何かさんの コチラ
オムライスさんの コチラ
になります。ありがとうございました。


コチラの作品と設定が被ってしまったみたいです。すみませんでした。

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