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l从・∀・ノ!リ人アリスのようです

l从・∀・ノ!リ人


少女は暗闇の中で目を覚ました。


l从・∀・;ノ!リ人「……ここはどこなのじゃ?」


少女は不安をにじませた声で、自身の記憶を探る。
名前は妹者、年は十歳。家族も住所も思い出せる。
だけど、なぜこんな所にいるのかぼんやりとして思い出せない。

思い悩む少女の視界に、ふと何かがよぎった。


( ^ω^)


チョッキを着込んだ兎が、懐中時計を片手に走っている。
暗闇の中で、兎の白い体毛はいやに鮮やかだった。



l从・∀・ノ!リ人アリスのようです




白兎を見たとたん少女は、暗闇の中に一人でいることが恐ろしくなった。
誰かに見られているような気がして、少女は辺りを見回す。
しかし、世界は闇に沈み白兎以外はなにも見えない。


l从・∀・;ノ!リ人「ま、待つのじゃー」


少女は白兎を追いかけ走り出した。
足元も周囲の光景もわからない闇の世界の中で、唯一見える白い色。
白兎に追いつこうと、必死で少女は駆けた。


  人l从;・∀)ノ              ( ^ω^)


少女は走る。白兎を追いかけて。
どれだけ走ったかはわからない。どれだけ進んだのかもわからない。
それでも、少女は駆けて、駆けた。


 人l从;・∀)        彡 ⊂二二二( ^ω^)二⊃


突然、白兎がぴょんと跳ねた。
少女が立ち止まると、ぴしゃりと水を踏む感触。
少女は慌てて足下に目をこらす。



l从・∀・ノ!リ人「川?」


じっと目をこらすとそこは川のようだった。
ちゃぷちゃぷと水音が響く音が聞こえる。
うっすらと見える川は広く、暗闇とあいまってどこか不吉だった。


l从・∀・;ノ!リ人「うう、行きたくないのじゃー。でも、兎さんが行っちゃうのじゃ」


白兎は川を飛び越え、対岸に立っている。
暗闇と、暗闇の中に沈む川の中で白兎の白と、細められた赤い目はやけに鮮やかだった。
白兎は、ためらう少女を待つようにじっと立ちつくしている。

渡ってしまえばいいじゃないかという言葉が聞こえた気がした。
その言葉に導かれるように、少女はぐっと目をつむる。
そして、少女は岸に向って飛んだ。


l从>∀<;ノ!リ人「――えいっ」


少女が地面を蹴り上げると、抱きかかえられるような感覚と共に体が浮いた。
彼女の体はぷかりぷかりと浮かんで、空を飛ぶように前へと進む。
少女はその異変にまったく気づかない。





l从>∀<;ノ!リ人「ひゃっ!?」


少女が地に足を下ろした瞬間、世界は一変した。
黒一色だった世界に光がさし、様々な色があふれ出した。
少女は突然の光に、目をしばたたかせる。


l从・∀・;ノ!リ人「びっくりしたのじゃ……」


目をつぶっては開きを繰り返してから、少女は辺りを見回す。
ついさっきまで渡っていたはずの川は消えていた。


l从・∀・ノ!リ人「むむぅ、ここはどこなのじゃ?」


そこは、緑あふれる住宅地だった。
空には太陽が輝き、生け垣や塀に囲まれた住宅が何軒も建ち並んでいる。
住宅地には不思議なことに一人の人影もない。その変わりに、


( ^ω^)


――白兎がいた。


( ^ω)


白兎は少女の視線に気づくと、すぐそばの家の生け垣に潜り込んだ。
少女は慌てて生け垣へと駆け寄ると、生け垣の木がトンネルになっているのが見えた。
生け垣のトンネルの先ははっきりとは見えない。


l从・∀・ノ!リ人「トンネル……」


引き返そうか。
ぽっかりと開いたトンネルを前に少女は思案する。
白兎は気になる。しかし、真っ暗だった先ほどまでとは違い、今は明るい。
わざわざ入る必要はない。


l从・∀・;ノ!リ人「……」


だけど、街の中には誰もいなくて何の物音もしない。
それなのに、誰かがじっと見ているような気がする。


l从-∀-;ノ!リ人「危ないなら引き返せばいいのじゃ」





l从・∀・ノ!リ人「トンネルごーそごーそ」


顔にかかる木をどけながら少女は木のトンネルを進む。
トンネルは長く、どこまで進んでもその向こうの家にはたどり着かない。
少女が進むとトンネルの先は家ではなく、しっかりとした洞窟へとつながっていた。


         三( ^ω^)


その洞窟の中へと白兎は入っていく。
それを見ると少女はぽかんとした表情で立ち止まった。
どうしてこんなところに洞窟が?少女は不思議に思う。

これまでやってきたトンネルを見返す。
どこまでも木が続くだけで、少女が入ってきた入り口はとうに見えなくなっている。
見えないはずの入り口に何か嫌なものがいる様な気がして、少女はごくりと息をのむ。


l从・∀・;ノ!リ人「……怖かったら引き返せばいいのじゃ」


転ばないように、岩壁に手をつき慎重に前へ進む。
洞窟の中は明るくて、そのうち少女は壁から手を離して歩き出した。
あっちに曲がって、こっちに曲がって。
少女はどんどん洞窟を進む。


Σl从・∀・;ノ!リ人「ひゃっ」


曲がりくねった道にも慣れた丁度その時。
床が突然消えた。
少女の体は底へ向けてまっさかさま。



下へ下へ下へ

どんどんと少女の体は落ちる。



l从・∀・;ノ!リ人「落っこちー落っこち?
         むむむむむ」



下へ下へ下へ

どんどんと少女の体は落ちる。



l从・∀・ノ!リ人「落っこちてるけど、落っこちてないのじゃ」


落下のスピードは驚くほどゆっくりで、
少女がきょろきょろと辺りを見回す余裕があるほどだった。




テーブル

                      本棚

     椅子

        おもちゃばこ


                               テレビ



l从・∀・ノ!リ人「家にあるのにそっくりなのじゃ」


少女にとって見覚えのある家具や物たちが岩壁には沢山置かれていた。
あの花瓶は少女の姉のお気に入り。
こっちの漫画は上の兄の愛読書。
それから、そのスピーカーは下の兄の愛用の品。


l从・∀・*ノ!リ人「ブラクラげっとなのじゃー」


少女は喜々として壁にあった兄たちのパソコンを手に取る。
少女は兄の口癖を真似てみるが、残念ながら電源は入っていなかった。
それでも少女は満足そうな笑顔を浮かべ、机にパソコンを返す。


l从・∀・*ノ!リ人「まっさかさまー、なのじゃー」





少女の落下は唐突に止まった。


l从>∀<;ノ!リ人「いたぃっ」


少女は木や葉っぱの上に尻餅をついた。
痛いといっても、相当な高さから落ちてきた痛みにしてはびっくりするほど軽いものだ。
しかし、そんなことを知らない少女はお尻をなでさすりながら涙を浮かべる。


         ( ^ω^)


そんな少女の目の前を、白兎は走り去っていく。
少女はあわてて立ち上がろうとするが、上手くいかない。


l从・∀・;ノ!リ人「待つのじゃ!」


白兎が遠くに行ってしまう。それなのに、立ち上がることが出来ない。
何かに邪魔されているかの様に、その場から身動きがとれない。
少女は一生ここから動けなくなるんじゃないかという恐怖を覚える。



l从;∀;ノ!リ人「待ってほしいのじゃ」


少女の目からぽろりと涙が落ちた。
それと、同時に空から巨大な雨粒が落ちた。
少女の目から涙がぽろり、空からは巨大な雨粒がばしゃん。

少女の涙と共に雨粒は降り注ぎ、それは海になった。


l从;∀;ノ!リ人「わぷっ」


涙の海は少女の体をざぶんと包み込んだ。
少女は波にさらわれて、海のまっただ中。
もうその頃には、少女の体は動くようになっていた。
おぼれちゃいけないと少女はあわてて泳ぎだし、さっきまで泣いていたことも忘れてしまった。


l从・∀・;ノ!リ人「なんで海にいるのじゃ?」


ばちゃばちゃと水をかき、少女は進む。
どこまでも続く海の中、少女は一人っきりだ。





('A`)「チューチュー」


そんな海の中を一匹の鼠が泳いでいるのに少女は気づいた。
貧相な顔にがりがりの体の鼠は、器用にも手足としっぽを動かし泳いでいる。
白兎以外の生き物を見るのは久しぶりだったから、少女は嬉しくなった。


l从・∀・*ノ!リ人「あー、鼠さんなのじゃー」

('A`)「ったく、海になるなんて聞いてねーぜ」


少女が鼠をじっと眺めていると、鼠はぶつぶつとしゃべり出した。
その鼠の声に少女は驚いた。少女の記憶の中では、しゃべる動物はオウムくらいのものだ。
しゃべる鼠なんて、東京の夢の国でしか見たことがない。


l从・∀・ノ!リ人「すごいのじゃ。モララーがいれば喜ぶのじゃ!」


少女はあまりの嬉しさに、鼠に話しかけた。
大きな声を出したものだから、おぼれそうになったけどあわてて体勢を戻す。


彡(;'A`)    l从・∀・*ノ!リ人


( 'A`)「なんだ、幼女か」

l从・∀・ノ!リ人「妹者なのじゃー」


鼠は少女の姿をしげしげと眺めて、うんとうなずく。
どうやら、彼は彼なりに納得したらしい。


( 'A`)「モララー?何そのイケメンっぽい名前」

l从・∀・*ノ!リ人「妹者の飼ってる猫さんなのじゃ」

(((゚A゚;)))「ヒィィィィ。ぬこっ!ぬこどこ?ドコ?」


鼠は猫という言葉を聞いたとたん声を荒げた。
辺りをキョロキョロと見回す余り、手と腕が止まり、海に沈む。
鼠を助けようと少女が腕を伸ばし、鼠はなんとか海面へと浮上する。

l从・∀・;ノ!リ人「……モララーは今、いないのじゃ」

(;'A`)「びびらせんなよ。いくら幼女と言っても、しまいには怒るぞ」

l从・∀・;ノ!リ人「ごめんなさいなのじゃ」


少女の言葉に、鼠は元の落ち着いた態度を取り戻した。
本当に鼠は猫が嫌いなんだなぁと少女は思うが、口には出さない。
思ったことを言うよりも、鼠に嫌われて一人っきりになるのが嫌だったからだ。


('A`) l从・∀・ノ!リ人


涙の海は何処までも広くて、その果ては見えなかった。
空は真っ青で、雲は綺麗な白。
海は太陽の光でキラキラ光って、水底には木がずっと立ち並んでいる。

空を飛んでいるみたいだと、少女は思う。


('A`) l从・∀・ノ!リ人       (´∀` ) *(‘‘)*


( ´∀`)「いやぁ、それにしても海とはびっくりしましたね」

('A`)「いきなり、水泳することになるとは思わなかったな」


鼠に話しかけてきたのは大柄の鳥だった。
その鳥の姿は、少女が動物園でもテレビでも見たことのないものだった。
信じられないほど大きいその鳥は、大きいくちばしともこもことした体をしている。


l从・∀・ノ!リ人「えーと、誰なのじゃ?」

( ´∀`)「ドードー鳥と言いますモナ。初めましてお嬢さん」

l从・∀・*ノ!リ人「妹者は妹者なのじゃー!」


少女と鼠の周りにはドードー鳥をはじめ沢山の鳥が集まっていた。
アヒル、インコ、まだ小さな鷲、カササギと、カナリヤ。
少女の知っている鳥もいれば、知らない鳥もいる。
鳥たちは羽を器用に使って泳ぎ、楽しそうに言葉を話した。

少女と鼠の二人ぼっちの海の道は、楽しく賑やかになっていた。


从 ゚∀从「お、陸が見えてきたぜ」


少女と鼠と鳥たちの大行列は、口々に疲れたなど言いながら陸へとあがった。
よく見れば、この陸は丘や山のようだった。
少女は海から山へ来たことにわくわくしながら、ゆるい斜面を登る。


(;´∀`)「水で羽が重くなってしまったモナ」


長い間泳いできたものだから、全員の服や毛皮や羽は水で重くなっていた。
陸の上の空気は冷たく、海からあがってきた者たちの体は冷えだしていた。


(;=゚ω゚)ノ「早く乾かさないと、風邪ひいちゃうんだよぅ」


少女と動物たちは、体を乾かすかの話し合いをはじめるがいい案は出ない。
アヒルが太陽に頼めばいいよと主張すれば、カナリヤがまた水に戻れば風邪をひかないと返す。
このままでは本当に風邪をひいてしまうと誰もが思いはじめた頃、ドードー鳥が口を開いた。


( ´∀`)「このまま話しているよりも、モナは運動をすることを提案するモナ」


<_プー゚)フ从 ゚∀从(=゚ω゚)ノ「「「運動?」」」*(‘‘)*('A`)('(゚∀゚∩l从・∀・ノ!リ人


( ´∀`)「動き回っていれば体もあったまるし、羽もそのうち乾くモナ」

\l从・∀・*ノ!リ人「だったら、おいかけっこがいいのじゃー」


少女の提案に鳥たちは全員一致で賛成した。
鼠だけは「運動マンドクセ」と言っていたが、小鷲につつかれてすぐに沈黙した。
ドードー鳥の指示で移動できる範囲が決められ、全員は位置につく。


( ´∀`)「それでは、よーいドンッ!」


ドードー鳥の合図と共に、全員は一斉に駆けだした。
決められた範囲の中をみんな、一斉に散らばって駆け回る。


('A`)「で、誰が鬼なんだ?」

(;´∀`)「……」

l从・∀・*ノ!リ人「みんなが鬼で、みんなが逃げる人なのじゃ!」

(*´∀`)「そ、そう。それモナ!」


全員は歓声をあげて駆け回る。
しかし、範囲が決められているものだから、結局はその場でぐるぐると回ることになる。


(;´∀`)「し、終了もモナぁっ……」


息を切らしたドードー鳥が終了の声を掛けるまでおいかけっこは続いた。
その頃になると、動物たちの羽や毛皮も少女の服もしっかりと乾いていた。
疲れた少女と鼠はぺたんとその場に腰を下ろす。


<_フ#゚ー゚)フ从#゚∀从「「優勝は誰だっ!!!」」


しかし、満足できない鳥たちもいるようだ。
彼らは羽を振り回しながら自分が優勝だと叫んでいる。


(;´∀`)「えーと、ですねぇ」


('(゚∀゚∩「せっかくだから賞品とかほしいよ」


それぞれが優勝だとか賞品だとか勝手に話すものだから、まとめ役のドードーは困ってしまった。
やる気のない鼠の顔をじっと眺めて、それから助けを求めるように少女の顔を見る。


(;´∀`)「優勝は誰だと思うモナ?」

l从・∀・*ノ!リ人「みんなが優勝だと思うのじゃー!」


少女の答えにドードー鳥は安心したようだ。
鳥たちに向って「全員が優勝です!」と声高らかに宣言する。
それから、ドードーは少女を見つめて言った。


( ´∀`)「というわけで、賞品の贈呈をお願いします」

l从・∀・;ノ!リ人「賞品?」


ドードー鳥の言葉に鳥たちは一斉に頷くので、今度は少女の方が困ってしまった。
少女は困った顔のまま、服のポケットをごそごそと探し回る。


l从・∀・ノ!リ人「妹者のポッケには。なんか、お花がいっぱいあるのじゃ。
        ユリー、キクー、バラー、なんかキレイなお花ー、かわいいお花ー」

(゚A゚)「百合は俺のもんじゃー!!!」


少女のポケットからは次々と花が出てくる。
鳥たちは我先にと少女の取り出す花を受け取り、羽に飾りだした。
ドードーは頭のてっぺんに黄色い小菊を飾り、鼠は百合の花を飾ってご満悦だ。


( ´∀`)「全員に行き渡ったみたいモナ
      ところで、お嬢さんのお花はどこモナ」

l从・∀・;ノ!リ人「もう無いのじゃ」

(;´∀`)「困りましたね。全員に賞品がないのは困るモナ」


少女は服からポケットをひっくりだしてみるが、そこには花びらの「は」の字も無かった。
もう片方のポケットもひっくりかえして見るが、こちらにも何もない。


*(‘‘)*「エプロンのポケットは?」


インコの言葉に少女は自分の姿を水面に映した。
そこで少女はようやく自分の着ている服がエプロンドレスであることを認識したようだ。
少女は何度も自分の服を確認してから、エプロンのポケットに手をつっこんだ。

少女のエプロンの中には、アメ玉が一つ。
そのアメをドードーが「失礼」と言って受け取る。
ドードーはまるで貴族の様に洗練された動きで、少女にアメを差し出した。


( ´∀`)「このアメは、お嬢さんへの景品とするモナ」

<_プー゚)フ从 ゚∀从(=゚ω゚)ノ「「「パチパチ」」」*(‘‘)*('A`)('(゚∀゚∩

l从・∀・*ノ!リ人「わーい」


少女はスカートをちょこんとつまんで礼をすると、ポケットに飴玉をまたもどした。
いつ飴を食べようかと少女はうきうきと考える。


( ´∀`)「無事景品が行き渡ったので、鼠さんに閉会の言葉をお願いするモナ」


みんなに景品が渡ったころ、こほんという咳払いと共にドードー鳥は言った。
鼠は挙動不審な行動を取っていたが、少女の「がんばれー」という声を聞くと張り切って立ち上がった。


(*'A`)「それでははじめさせていただきます」


<_プー゚)フ从 ゚∀从(=゚ω゚)ノ「「「やんややんや」」」*(‘‘)*('(゚∀゚∩l从・∀・ノ!リ人


('A`)「いやぁ、今日の競争は本当っにすばらしかったです!
   マンドクサイと思ってましたがとんでもない。
   走るたびにひるがえる幼女のスカートの素晴らしさといったら!
   これこそ見えそで見えない本当のチラリズム!!!」


从#゚∀从*(#‘‘)*「……」

l从・∀・ノ!リ人「ちら、りずむ?」

(;´∀`)「お嬢さんは知らなくても大丈夫モナ」


鼠は両手を広げて長々と話をした。その話ぶりときたら、完全に演説だった。
鼠の話す言葉は少し難しくって、少女は首をかしげた。


(*'A`)「ひるがえるスカートというものは本当にいい!
    あれがヒラヒラゆれるたび、俺はむしゃぶりたくなるね!
    ヒラヒラするものにとびかかるのは、これはもう真理です」

l从・∀・ノ!リ人「ヒラヒラするのに飛びかかるなんて、モララーみたいなのじゃ」


(((゚A゚;)))「モ、モララー」


モララーという名前を聞いたとたん、鼠はガタガタと震えした。
チューチューと声をあげて、彼は尻尾をぐるりと抱える。


           ( ;A;)「いやだぁぁぁぁぁぁあああああ!!!」


可哀想に彼は尻尾を抱えたまま逃げ出してしまった。
これには、演説を聞いていた他の鳥たちもびっくりだ。
ドードーは鼠の走り去っていった方向を見ながら、小さくため息をついた。


(;´∀`)「あわただしい方ですね。ところで、モララーという方はどなたなんですか?」

l从・∀・*ノ!リ人「妹者の猫なのじゃー!」


*(;‘‘)*「ねこ?」


猫という言葉に鳥たちがざわめきだす。
しかし、自分の話の夢中の少女はその空気の変化に全く気づかない。


l从・∀・*ノ!リ人「モララーは毛並みもキレイでとってもおりこうさんなのじゃ。
         それから鳥をとるのも上手で、おっきい兄者のベッドにプレゼントするのじゃ
         モララーはさむいと一緒にねてくれるし、妹者は大好きなのじゃ」


<_フ;゚ー゚)フ「俺、用事を思い出しちゃったなぁー」

(;´∀`)「奇遇ですね。モナも用事が…」


l从^∀^*ノ!リ人「それからモララーはお外に出たいとにゃーってなくのじゃ
         お腹がすくとちゃんと家に帰ってきて、えらいえらいのじゃ」


少女の前から一匹、二匹と鳥が消えていく。
ペット自慢に夢中の少女は鳥たちが去っていくのにも気づかない。


l从・∀・;ノ!リ人「あれ?」


少女が我に返った頃には、鳥は一匹もいなくなっていた。




l从・∀・;ノ!リ人「いっちゃったのじゃ……」


少女の周りからは、鼠もドードーも鳥たちもいなくなってしまっていた。
おまけに、涙の海もいつのまにか水が引いてなくなってしまっている。
少女は知らない場所でまたひとりぼっちになった。


l从・∀・ノ!リ人「……行くのじゃ」


ふと、誰かの視線を少女は感じた。
暗闇のあの場所から。生け垣のトンネルに入ろうとしたその時にも感じた視線。


l从・∀・;ノ!リ人「気のせいなのじゃ」


少女は土を踏んで足を進める。
誰も見てない大丈夫。そう自分を勇気づける少女の背後で、足音が響いた。
少女が歩調をあげると、背後の足音もそのスピードを速める。


l从・∀・;ノ!リ人「誰なのじゃ?なんで妹者をおいかけるのじゃ?」


振り向くがそこには誰も居ない。だけど、はっきりと気配はある。
それが、恐ろしくて少女はさらにスピードをあげる。


      ( ^ω^)


ちょうどその時、前方を駆けていく白兎が少女の目に入った。
見慣れた白い体毛、しっかりと着られたチョッキ。
その姿に、少女はほっとする。


l从・∀・;ノ!リ人「待つのじゃ!このままじゃつかまってしまうのじゃ!」


                  (  ω)


少女はその白兎に向って声を上げた。
背後の足音は今やはっきりとした気配を持って、少女に迫っている。
その気配に捕まってはいけない。少女の本能が警笛を鳴らす。


l从;∀;ノ!リ人「助けてほしいのじゃ!」



                  ( ^ω^)



少女の涙ながらの声に、白兎が振り向いた。
穏やかな笑顔。細められた瞳の色は赤。
とても懐かしいその笑顔。


l从・∀・ノ!リ人「―――その、顔……」


だけど、少女は白兎の顔に気を取られている場合じゃなかった。
少女が白兎に気を取られているそのうちに。
背後の影は、背後の気配は、少女に忍び寄り――――



             「――つかまえた」



体が冷たくて嫌なものにがんじがらめにされる嫌な感じがして。
捕まってしまったという、
自分でも理解しきれない絶望を感じて、
少女は、絶叫した――――


l从;∀;ノ!リ人「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」




(;´_ゝ`)「……妹者?」


気がつくと少女は、兄の膝を枕にして横たわっていた。
兄はおそるおそる少女に声をかけ、それからじっと少女を見つめた。
少女は慌てて起き上がり、キョロキョロと周りを見渡す。


l从・∀・ノ!リ人「おっきい兄者?」


そこは暗闇でも、住宅地でも、洞窟でも、海でもなかった。
白兎もいなければ、鼠や鳥たちもいない。
いるのは少女と、彼女の兄だけだ。


l从・∀・ノ!リ人「……ここはどこなのじゃ?」


ぼんやりとつぶやいた少女の体を、彼女の兄は抱きしめた。
ぎゅっと力を込めて、決して離さないように強く抱きしめる。


( ;_ゝ;)「起きないから心配してた。ずっと、ずっと」


恥ずかしげもなく号泣する兄の手から離れようとして、少女は気づく。
周りにあるベッドにもぬいぐるみにも部屋に散らばった本にも、トランプにも見覚えがある。
――そこは見慣れた、少女の部屋だ。



l从・∀・;ノ!リ人「おっきい兄者はしんぱいしょーなのじゃ」

( ;_ゝ;)「妹を心配しない兄があるか!」

l从・∀・ノ!リ人「おっきい兄者もちっちゃい兄者もしんぱいしすぎなのじゃ。
        もっと姉者を見習うといいのじゃ」


文句を言いながらも少女は安心する。彼女の大好きな兄の体は暖かかった。


l从・∀・ノ!リ人「ちっちゃい兄者たちはどうしたのじゃー?」

(*´_ゝ`)ノ「弟者ならもうすぐ来るぞ」


その暖かさは体にまとわりついた嫌なものを溶かしてくれる様で、少女は目を閉じた。
目が覚める前の嫌な感じ全てを少女は忘れてしまいたかった。


(*´_ゝ`)「妹者は甘えんぼさんだな」

l从・∀・*ノ!リ人「こわい夢を見たからなのじゃ。
         いつもの妹者はもうちょっと大人なのじゃ」

(*´_ゝ`)「そうかそうか」



少女は瞳を閉じて夢を見る。

今度はあの嫌なものに出会わないといい。
そして、あの白兎に会って「あなたは誰?」と聞くのだ。
鼠と鳥さんたちにはあやまろう。みんなでやるおいかけっこはとても楽しい。


l从-∀-*ノ!リ人「妹者が起きるまで一緒にいてほしいのじゃ」

(*´_ゝ`)「よーし、兄者はりきっちゃうぞー。
      妹者が退屈しない様に本も読んであげちゃうからなー」



l从-∀-ノ!リ人



( ´_ゝ`)「……おやすみ、妹者。
      もう心配させないでくれよ」



少女は気づかない。
窓の外には森と湖が広がっていることに。
どこか懐かしい顔をした白兎がそこを走っていることに。
黄金色の光をはなつ湖にはボートが浮かび、その向こうには城がそびえ立っている。









ようこそ アリス
ここは君のための不思議の国






END




総合短編
ブーン系小説グループさんのコチラ
玉兎の夢さんのコチラ
ナギ戦記さんのコチラにまとめてもらっています

ブーン系小説グループさんの仕事の早さに衝撃をうけました
ナギ戦記さん、イラストつきでのまとめありがとうございます。イラストは家宝として(ry

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